ガザ住民から直接聞いた話だが、イスラエル軍は絨毯爆撃をする前に住民一人ひとりに携帯電話をかけ、「そこを立ち去るように」と通告してくるのだそうだ。それもアラビア語で。
なぜイスラエルがガザ住民の携帯電番号を知っているのか。答えは簡単だ。パレスチナの通信会社とイスラエルがズブズブだからだ。
ウエストバンクの山の頂に黄金のドームがある。「エルサレムのドームのブランチ(支社)か?」と地元ジャーナリストに尋ねたところ「あれはパレスチナの通信会社の社長の邸宅なんだよ」と笑われた。
話を退避通告に戻そう。レバノン南部の住民の携帯にもイスラエル軍は電話をかけ、「ヒズボラ施設の傍から離れるように」と23日までに通告したとBBCが伝えた。
モサドはレバノンの通信会社をも買収しているのだろうか。
イスラエルと国境を接するレバノン南部は2006年戦争の際にも絨毯爆撃を浴び、丸ごと消えた村もある。「泥水をすすって生き延びた」という住民の話を聞いた。
イスラエル軍は南部への陸上侵攻も否定していないようだ。
陸上侵攻があると惨劇がワンランクもツーランクもあがってくる。
レバノンの道路は退避のため北へ北へと向かう車で一杯だ。
レバノン南部が第2のガザとならないように国際社会は注視する必要がある。
~終わり~
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