竹中平蔵と小泉純一郎の着ぐるみが話しているように思えて仕方がなかった・・・次期総理の呼び声が高い小泉進次郎のことである。43歳。総理総裁候補のなかで最も若い。
自民党きっての人気者がきょう6日、都内で総裁選出馬の記者会見を開いた。
進次郎が高らかに掲げる「自民党を変える」「聖域なき構造改革を断行する」は父純一郎の口移しだった。
背筋が寒くなったのは「解雇規制を見直して日本経済のダイナミズムを復活させる」と宣言したことだった。解雇の自由化は竹中の悲願だったのである。
とんでもない話だ。すでに非正規の有期雇用を大量に導入し、短期間で事実上の解雇ができるようにしているのだ。
これをさらに改悪して解雇を自由にできるようにというのが「解雇規制の見直し」である。
不安定な働き方のため、結婚どころか自分一人が生きていくことさえも難しくなっているのが、今の日本社会だ。
不安定雇用こそ日本を蝕む少子高齢化の元凶である。雇用をさらに不安定化させてどうしようというのか。
にもかかわらず、「次期総理」はバラ色の夢を振り撒いた―
「日本の経済社会のダイナミズムを取り戻すための改革を進める」「(解雇規制の撤廃で雇用が流動化すれば)日本から新たに産業が生まれ賃金があがり生活がゆたかになる」と。
小泉(父純一郎)・竹中改革で日本経済は疲弊し、労働者は果てしなく貧しくなった。正規社員が炊き出しに並ぶありさまだ。
少子高齢化に拍車がかかり、この国は世界史にも例がないほどのスピードで人口減少が進む。
日本を破滅に導きかねない「進次郎総理」に騙されるな。(文中敬称略)
~終わり~
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