田中はきょう(8日Thursday)も街頭に出た。戦地取材の資金を募るために。
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ウクライナ軍がロシア西部に陸上侵攻した。ドローン攻撃ではない。陸上部隊がロシアの都市や村に雪崩れ込んだのである。
戦争のフェーズが一段階進んだ。それも悪い方向に。
住民にとって陸上侵攻は空爆の何十倍もの恐怖がある。銃を持った敵国の兵隊を間近に見、我が家に迫って来る戦車のキャタピラー音を聞かねばならない。
陸上侵攻に「虐殺」と「レイプ」と「略奪」は付き物だ。3点セットである。田中は足掛け9カ月を費やしてロシアに陸上侵攻されたウクライナの町や村を回ったが、3点セットがなかった地区は稀だ。
今度はウクライナ軍が陸上侵攻した。かりに3点セットがなかったとしても、ロシア側に「虐殺された」「レイプされた」「強奪された」と言われる環境が整ったのである。
BBCによればプーチンは不快感を示しているという。2022年9月のテレビ演説を思い出す。
「私の国(ロシア)は核兵器を保有している・・・もしロシアの領土、ロシア国民が脅かされるようなことになれば、我々が持つすべての兵器を使う」と宣言し、「これは脅しではない」と締めくくったのである。
ウクライナ軍の陸上侵攻は、独裁者に核使用の口実さえ与えることになった。
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田中龍作ジャーナルは他メディアが報道しない世界の冷厳な現実を伝えます。