パリ五輪が11日閉幕した。「オリンピック閉幕」と聞くと身構える。
北京冬季五輪(2022年2月4日~20日)の閉幕から4日後に、ロシアがウクライナに全面侵攻しているからだ。
田中はその日2月24日をキエフ(当時の呼称)で迎えた。世界が一変した朝が忘れられない。
五輪閉幕後に侵攻したのは、プーチンが盟友の習近平に配慮したからだろうか。
確かに平和の祭典といえば、平和の祭典である。
ある友人は田中なんぞよりも早く紛争の匂いを嗅ぎつけて現場に飛ぶ。
ウクライナ戦争では前段のマイダンが始まりかけた頃(2013年末)から単騎キエフに乗り込んでいた。
現地は真っ昼間でも氷点下だ。治安部隊は正確な射撃でデモ隊を撃ち殺していた。
米国大使館から支給される3千円程度の日当で寒さと射殺の恐怖に耐えうる人間はいない。腐敗したヤヌコビッチ政権への憎悪はマグマのようだった。
これが10年経ってなお続くウクライナ戦争の皮切りだった。
現実はコタツの中で論評するようには動いていないのだ。
友人はきょう12日、某国に向かった。「戦争が起きなければよいのだが」と気を揉みながら。
~ ~
田中はきょう(12日Monday)も街頭に出た。戦地取材の資金を募るために。
田中龍作ジャーナルは他メディアが報道しない世界の冷厳な事実を伝えます。