ウクライナの友人から写真が届いた。
ロシアのプーチン大統領が法廷で裁きを受けている。囚人服姿で後ろ手錠だ。写真のタイトルは「ハーグ(国際刑事法廷)のプーチン」。戦争犯罪者として逮捕されたのである。
合成写真なのだが、いや合成写真であるからこそウクライナの人々の切なる願いが込められている。
映画の看板のようなデカイ写真が飾られているのは、キーウ市役所前だ。
昨年10月、クリミア大橋が爆破された時は、ここに同じサイズの絵が登場した。大橋炎上の再現図だ。ロシアによる侵略の象徴であるクリミア大橋の爆破を喜び、記念写真を撮る人々が尽きなかった。キーウ市役所前とはそういう場所である。
2014年のクリミア侵攻から現地で取材を続けてきた田中は、ウクライナの数えきれないほどの街や村を巡り、数えきれないほどの人々にインタビューした。
ほとんどの人(98~99%)が「ロシア軍をウクライナの地から追い出すまで戦う」と答えた。世論調査でも70%以上が「徹底抗戦」と回答している。
ウクライナは言論の自由がほぼ100%保証されている国である。デモ隊が大統領府の真ん前で「ゼレンスキーのチンポコ野郎」と叫ぶことも可能だ。(写真参照)
徹底抗戦に向けて、国民がゼレンスキー大統領を突き上げているのが実情なのだ。
ところがこの日本では、半ば公の場で「ゼレンスキー大統領はウクライナ国民を戦争に総動員している」などと発言するブンカ人が相当数いる。妄想甚だしいという他ない。
一部の国会議員も含めた日本のブンカジンは現実、史実を知らないようだ。
プーチンの呪文である「NATOの東方拡大」は統一ドイツ内のことなのである。当事者のゴルバチョフが自らの回顧録に残している。ロシアが都合のいいように曲解して、それを流布し、日本のブンカ人や一部の国会議員が信じ込んだ。
ロシアのプロパガンダは指摘し始めればキリがないので、この辺にしておくが、ブンカジンや一部の国会議員は一度東ヨーロッパを見学してくるといい。ウクライナと違って危険ではないから。
~終わり~