いよいよ政府は零細事業者を殺しにかかってきたようだ。10月1日から導入されるインボイス制度である。
息の根を止められそうなのは、年収1千万円以下のフリーランス、演劇、映画、出版、個人タクシーなどだ。私本人も含めて周りはインボイス制度の対象となる人だらけである。
これまで年収1千万円以下の事業者には消費税の課税が免除されていた。免税事業者という。
インボイス制度が導入されるとどうなるか。年収1千万以下であろうとも課税事業者登録しなければ、仕事の発注を受けられなくなる可能性が非常に高くなる。新制度により発注先が仕入れ控除できなくなるからだ。
課税事業者登録すれば、これまで払わなくても済んだ消費税を税務署に払わなければならなくなる。事実上の増税である。
増税を選ぶか。仕事の発注が来なくなることを選ぶか。年収1千万円以下の零細事業者は究極の選択を迫られることになる。
零細事業者はこのまま泣き寝入りしなければならないのか、と諦めかけていたら、山本太郎が「STOPインボイス」を掲げて立ち上がった。
山本は元自民党衆院議員の安藤裕らと共に17日夕、新宿西口で「STOPインボイス」の街宣活動をした。安藤は税理士でもあり、自民党にいながら消費税の廃止を主張してきた政治家だ。
諦め絶望する必要はない。インボイスをボイコットできる方法があるのだ。安藤と仲間の神田知宜税理士が作戦を授けてくれた―
1、ギリギリまで登録しないこと。
2、登録したら取下げる(取下げ可能である)。
登録者がいなかったら制度として成り立たなくなる。運用できなくなるのだ。
インボイス制度による税収は2800億円。110兆円を超す国家予算から見れば微々たるものである。
なぜ貧乏人の首を絞めるのか。安藤によれば財務省は免税業者をなくしたいのだ。
街宣会場を訪れたフリーランスたちがマイクを握り不安を訴えた―
声優の女性は「登録制度にすれば個人情報(名前、住所)が洩れ、ストーカー被害につながる」。
男性俳優は「インボイス制度を考える有志の会」を結成した。「演劇関係者の2割が廃業する恐れがある」。「インボイス登録者には仕事が来るが、登録していなかったら仕事がこない」。
財務省よ。低所得者層の悲鳴が聞こえるか。
インボイスの影響で物価があがる。景気も落ち込む。安藤氏は「その先に待っているのは消費税増税だ」と指摘した。
(文中敬称略)
~終わり~