
マドゥロ大統領夫妻の巨大な写真垂れ幕が空軍基地のすぐ傍で威光を放っていた。=16日、カラカス市内 撮影:田中龍作=
這う這うの体でカラカスを脱出して7年が経つ。田中は再びベネズエラの地を踏んだ。どうしても見届けたいことがあったからだ。
2019年1期目のトランプが軍事介入を示唆したこともあり、人々は「マドゥロ独裁打倒」を叫んで街頭に出た。田中も押っ取り刀でベネズエラに駆け付けた。
だが、トランプは動かなかった。見る見る間に熱狂は萎んだ。体制転覆を見届けるためにやって来た海外ジャーナリストに対する態度は、掌を返したように冷たくなった。
マドゥロ独裁打倒を掲げた人々の多くは投獄され、拷問に遭い死んでいった。拷問に関わっていた元軍人が田中に話してくれた。

何千人、いや何万人投獄されていたのだろうか。政治犯収容所は巨大だった。=16日、カラカス市内 撮影:田中龍作=
政治犯収容所はスタジアムを思わせるほど巨大な施設だった。聳(そび)えているといっても過言ではない。
コロンビアに逃れて来た元軍人は「1千人が拷問の果てに死んでいった」と明かしたが、虐殺された政治犯は1千人のオーダーではきくまい。
収容者の名簿は米軍が来る前に捨てられたと言われている。収容者は他の施設に連れて行かれたとも聞く。どちらも真実だろう。
7年前、田中が関わった人々が含まれていないことを祈るのみだが、秘密警察による密告網を擁する独裁政権は、そんなに甘くない。

この奥でマドゥロは米軍に捕縛された。ベネズエラ軍は米軍になぎ倒されたのである。=16日、カラカス市内 撮影:田中龍作=
~終わり~
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田中龍作は大赤字を覚悟で南米取材を決行しました。トランプの乱行により世界秩序が変わりつつあり、日本も巻き込まれる恐れが出てきたからです。
現場を見ていない評論では、実際に起きていることが分かりません。田中龍作に激動の世界情勢を伝えさせて下さい。
交通費が圧倒的に不足しております。御支援何とぞ御願い申し上げます。





