開戦から59日目、4月25日。
ごく一部を除けば報道の自由を保障された国から訪れた数百人のジャーナリストが、ウクライナで取材活動を展開している。
開戦前から現地入りしていたジャーナリストは、ツアーやメディアセンターの世話にならない。ちなみに私はツアーに参加したこともない。メディアセンターがどこにあるのかも知らない。
遅くに到着しても気骨のあるジャーナリストはツアーのお世話にはならない。
数えきれないほどの街や村を回った。各国の記者も同じだろう。略奪と殺戮と破壊はロシア軍の3点セットだった。
住民から虐殺や略奪の話を聞いた時は「どこからそれを見ましたか?」と確認する。話が不自然でなく科学的であれば、証言は真実であるとみてよい。
各国の記者も住民の証言を集めている。合計すれば証言の数は1万件を超えるだろう。1万件超が口裏を合わせるのは不可能である。
どこの国の記者に聞いても殺戮と略奪と破壊はロシア軍の3点セットだ、というはずだ。
湾岸戦争(1991年)やコソボ紛争(1990年代)の頃と決定的に違うのは、SNSの普及である。デッチあげは「ウソだ」とすぐに告発される。
もう一つ決定的に違うのは、ウクライナでは言論の自由が保障されていることだ。ゼレンスキー大統領をクソミソにこき下ろしても許される。(写真参照)
戦争広告代理店による捏造があったりしたら、住民がSNSで告発するだろう。それが今のところない。
戦争広告代理店の影響を受けることのないフリーランスもウクライナから発信している。不肖田中もその一人だ。
フリーランスがフェイクニュースを書けば、読者に愛想を尽かされ明日から飯が食えなくなる。
「ネオナチ説」「自作自演説」を唱える言論人に共通するのは、虐殺の現場に一歩も足を踏み入れず、住民の話をひと言も聞いていないことだ。
現場で取材を続けるジャーナリストの口から「ネオナチ説」「自作自演説」が出てくるのを一度も聞いたことがない。
戦争広告代理店の有無に関係なく、真実は真実として表に出てくる。
~終わり~
◇
皆様のお力で、田中龍作は日本の新聞テレビが報道しない、ウクライナの実情を、伝えることができています。
通訳もリスクにさらすため高額の人件費がかかります。カードをこすりまくっての現地取材です。 ↓