衆院選挙は今月19日公示、31日投票となった。きょう4日、れいわ新選組の山本太郎代表が国会内で記者会見を開いた。
田中の質問の真意はこうだ―
衆院選挙はれいわにとって苦手な小選挙区での戦いとなる。小選挙区は特定の候補者が日頃から地元に根付いて活動し、支持を広げて行かねばならない。
お祭りに顔を出し、冠婚葬祭に駆け付ける。事業の手助けをしたり、子女の就職の面倒をみたりする。密でホットなネットワークを築いていないことには不可能だ。
東京都議会議員選挙での戦い方が、衆院の小選挙区のそれと似ている。れいわは都議会議員選挙で壊滅的な敗北を喫した。山本自身も小選挙区は厳しい戦いになることを認めている。
結成から2年6ヵ月の公党にとって初体験となる衆院選挙は、楽観を許せるものではない。背水の陣で臨まないことには都議会議員選挙の二の舞となるだろう。
記者会見で田中は次のように質問した。「当選者が山本太郎一人、あるいは山本太郎も落選したら、出処進退はどうするか?」と。
山本は「来年の参院選までを視野に入れているので」として明言を避けた。(回答は記者会見の後で山本本人から再確認した。)
2007年7月の参院選を思い出す。幹事長として民主党の選挙を仕切っていた小沢一郎は、政界引退を賭けて選挙に臨んだ。公示4日前に小沢は「(負けたら)政治の場で働く余地はなく、政界にとどまる必要がない」とまで言って、退路を断ったのである。
候補者、党ともに悲壮な覚悟で臨んだ参院選は大勝した。改選前32議席が大幅増の55議席となった。2年後の政権交代につながったことは言うまでもない。
「あんたの師匠はここまで腹をくくって選挙に臨んだんだ」。田中は言葉にこそ出さなかったが、こう言いたい気持ちで一杯だった。(文中敬称略)
~終わり~