食の安全と古き良き東京の文化を守る・・・都民を誑(たぶら)かして、都知事選(2016年)に圧勝した小池ゆりこ知事が、またもや築地カードを切ってきた。
オリンピック用の駐車場に充てられることになっている築地市場跡地(23ヘクタール)を、コロナワクチンの大規模接種会場として利用する、と言い始めたのだ。小池知事は21日、官邸を訪れ、スガ首相に意向を伝えた。
広大な築地市場跡地には、すでに100台を超える大会用車両が駐車されている。接種会場の規模しだいだが、夥しい数の車両は別の場所に移さねばならない。広大で五輪組織委が勝手に使える空地が都心にあるだろうか。
ワクチン接種会場もテントという訳には行かない。冷凍庫を置く電源設備もいる。これから暑い季節に向かうことを考えれば空調設備を備えなければならない。
はい、6月30日までは接種会場です。はい、7月1日からオリンピック駐車場です。とは、いかないのだ。
築地市場関係者は、小池知事が繰り出した一手に「またか」の思いを抱く。
ある仲卸業者は「河岸の人たちは呆れ返っているよ。オリンピックがあるから どいて くれと言っておいて、今度は接種会場だ。神経を逆なでするにも程がある」と憤りを隠さない。
築地女将さん会のメンバーは「また築地を使ったんだ」と怒りながらも「いい加減にして欲しいと思うけど、これでオリンピックはないな」と希望的観測を混ぜた。
同会の別のメンバーは「築地の跡地をワクチン接種会場に使うのには大賛成。オリンピックは絶対やってはダメ」と力を込めた。
小池知事によれば、築地跡地でのワクチン接種対象者は今のところ「警察と消防関係者」だが、一般都民にも拡大されれば長期化する。接種会場の規模しだいだが、跡地をオリンピック駐車場として使うのに支障が出てくる。
名だたる策士の小池知事だ。政治生命をかけたドンデン返しを仕掛けてくるような気がしてならない。
~終わり~
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