学歴詐称など数々の疑惑で揺れる「女帝」こと小池ゆり子知事が、再選を目指して都知事選挙に立候補することをきょう12日、正式に表明した。
2期目をめざす小池知事は「この大東京を大改革していかなくてはいけない」。このあたりまではいつもの大言壮語だと理解していた。
だが知事が「情報公開は一丁目一番地であります」と続けた時、田中は噴き出してしまった。
小池氏の情報統制は、隠蔽体質と批判される安倍首相に勝るとも劣らぬほどだからだ。「情報公開」とはどこの国の言葉だろう?
その象徴は記者会見である。お気に入りの記者は頻繁に指名されるが、不都合な質問をする記者は手を挙げ続けても指名されることはない。
きょうの会見でも、小池氏に気に入られたい一心の記者クラブは、ヨイショ質問を連発した。
「コロナへの対応、国政への転身は?」(幹事社)
「1期目の印象は?」(NHK)
「連合東京との関係は?」(読売)
「女性の力をどう活かしていくか?」(フジテレビ)
小池氏が実績を強調できる質問ばかりだ。「連合東京との関係」については選挙戦をさらに優位に進めるために、友好的な姿勢を表明しておかねばならない。まるで小池知事のために用意されていたような質問だった。
どういう訳か、フリ―ジャーナリストの畠山理仁氏が指名された。畠山氏は、知事とお気に入りのフジテレビ記者を結ぶ線上に陣取っていたのである。
畠山氏の作戦は効を奏した―
周囲にいたフリー記者や週刊誌記者の証言によれば、知事が当てたのは指名回数ナンバー1のフジテレビ記者だったのだが、マイクは知事とフジテレビ記者の線上にいた畠山氏に回ってきた。
その畠山氏はカイロ大学首席卒業という「学歴詐称」について質問した。
知事は顔色ひとつ変えず答えた―
「卒業云々については、すでに何度も私自身が『カイロ大学が認めている』ということを申し上げてきた。すでに原本(卒業証書)を公表しております。今日もそれを掲載したメディアがあった」。
週刊フライデーの記者が「一期目の選挙で掲げたスギ花粉ゼロ、二階建て通勤電車は実現していないではないか?」と質問した。
知事は言い訳するどころか「揶揄する質問か?」と開き直った。
一度嫌な質問をすると、その記者は二度と指名されなくなる、という。
知事が嫌がる質問こそ都民が知りたがっている事柄だ。都民の声に耳を傾ける為政者であれば、嫌な質問にも答えるはずだ。
不都合なことは、なかったことにするのが「女帝」の流儀なのだろうか。
~終わり~
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