私権を制限する緊急事態宣言の予行演習が、きょう、行われた。どんな副作用があったのだろうか?
コロナウイルス感染拡大防止のため、小池都知事はこの週末、都民に外出自粛を要請した。
田中は某週刊誌の女性記者とともに都内の繁華街を歩いた。
ティーンのメッカ、原宿竹下通り。人出は少ないが、流行りのファッションに身を固めた女の子たちの歓声が曇り空に響いた。
高校を卒業したばかりという女の子は「髪を染めに神奈川から来た」「家にいてもつまんないし、自粛はあまり…(影響ない)」と話した。中学3年生の妹と一緒だ。
神奈川県の黒岩知事、埼玉県の大野知事らは東京への越境を控えるよう要請していた。少なくとも竹下通りの姉妹には効果はなかったようだ。
銀座も人通りはまばらだ。老舗和菓子店の経営者は開口一番「(両手を挙げるジェスチャーをしながら)グリコ状態です」と力なく語った。お手上げという意味だ。
明日29日は休店する。「開けていると圧力を感じる。なんだか気持ち悪いですからね」。
創業74年で休店は昭和天皇の崩御(1989年1月7日)以来という。
上野公園は人気の桜通りが通行止めとなった。それでも桜を見ようとする人たちが、足を運んだ。
60代の女性に「自粛要請はプレッシャーになりませんか?」と声をかけた。
女性は「(安倍)昭恵さんだって花見してたって言うじゃない」「(通行止めを)強行突破しようかな」と不敵な笑みを浮かべた。
ある芸術家(女性・30代)は自粛要請にも負けず、個展を開く予定だった。貯金ゼロ円のため絵を売らないことには生活していけないからだ。
だが周囲の説得もあって、週末に限って個展を休んだ。
「自粛要請は休業補償とセットにしてもらいたい」。憤懣やるかたない口調で語った。
非常事態宣言が本番となった場合、大本営のマスコミが同調圧力をかけてくるだろう。都内各所で予兆を確認することができた。
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