世界の実力者、習近平を相手にした香港市民の戦いは水際だっていた。
21日午前11時ちょうど、立法院周辺を占拠していた人々は、ウォーと声を上げて政府庁舎前の幹線道路になだれ込んだ。たちどころに道路をバリケード封鎖した。
間髪を入れなかった。デモ隊となって警察本部に進撃した。政府庁舎前から1キロと離れていない。
じきに警察本部に着いた。そこもバリケード封鎖した。夕方には警察車両を停めてある駐車場もバリケード封鎖した。
治安機関の本拠地が雪隠詰めになったのだ。警察官が袋のネズミになったのである。
警察本部前の道路は約1万人のデモ隊で埋めつくされた。バリケードを壊して出動すれば、デモ隊から袋叩きにされるだろう。
治安がマヒし、理論的には無政府状態となった瞬間だった。
「釈放義士」セイフォン・イシ=志士を釈放せよ
「不撒不散」パチ・パサン=(逃亡犯条例)を撤回するまでここを立ち去らないぞ
シュプレヒコールが怒涛のように警察本部に押し寄せた。
1万人ともなるとゴボウ抜きは不可能だ。デモ隊を排除するには催涙ガスしかない。だが催涙弾を放てば国際世論の批判を浴びる。
習近平が出席するG20が終わるまでは手荒なことはできない。中国の足元を見透かしたようなデモ隊の戦術だった。(敬称略)
~終わり~
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マスコミが権力の情報操作に手を貸す。日本の民主主義は香港よりも危うい状況にあります。警鐘を鳴らすために香港くんだりまで足を延ばしました。カードをこすりまくっての借金です。ご支援何とぞ宜しくお願い致します…
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