最低賃金をはるかに下回る時給で、早朝から深夜までこき使える ― 外国人労働者の受け入れ枠拡大に向けた入管法改正(改悪)法案の審議が衆院で大詰めを迎えた。与党はきょう27日中の通過を目指す。
安価な外国人労働者を大量に入れれば、自国の労働者の賃金低下を招く。何より国際社会に向かって恥ずべき「奴隷買い」を国策として行おうというのである。
「安倍総理は一体何を考えているのか。あなたは日本を取り戻すのではなかったのか」。
首相官邸前に日章旗を林立させながら、抗議の声をあげているのは「頑張れ日本!全国行動委員会」の水島総・幹事長だ。いつもは安倍応援団である水島氏だが、演説を聞けば極めてまっとうな主張であることが分かる。
水島氏は、会社を愛し定年まで勤めあげることを善とした日本型資本主義を壊したのは自民党だという。「歴史的に見ても移民を入れて長期的に発展した国はない」。「薄っぺらな国家観で、こんなもので国がやっていけるのか・・・こんな状態で日本が良くなると考えるのか」。
「まして外国人労働者は商品でない。喜び、悲しみ、苦しみ、泣いて、笑って、助け合う生身の人間である。君たちに人間に対する まなざし が本当にあるのか」。
雇用先で虐待を受け、低賃金で働かされる外国人労働者が涙ながらに訴える・・・こんな事が あちこちで 起きる日本は、どうみても誇りある国とはいえない。
「なぜ、そんなに急がなきゃいけないのか。なぜ今、衆議院を通過させなきゃいけないのか。もっと議論しなければならない」
「安倍総理は日本を日本でなくしてしまった。とんでもない総理だったね、と20年後30年後子ども達に言われてしまう」。
水島氏は移民法だけでなく、水道法、種子法、TPPなどを列挙しながら、「どうか皆さん。こんな亡国法案を国民の手で叩き潰しましょう」と全国の支持者に訴えた。官邸前での演説はネットでライブ配信されていた。
学会員が沖縄で目覚めたように、右翼も「移民法」で目覚めるべきではないのか。少なくとも、これに反対しない右翼は保守ではないように見える。なんでもかんでも安倍政権のやることに賛成、という時代は終わりつつあるようだ。
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