公園は誰のためにあるのだろうか? 渋谷区が防災や福祉よりも、収益事業を優先することを あからさまに 認めたのである。
宮下公園の夜間施錠や年末年始の全面閉鎖をめぐって、きょう、野宿者と支援者が渋谷区役所を追及した。
渋谷区は宮下公園を毎日夜10時30分から翌日の明け方まで、施錠する。さらに年末年始(12月29日~1月3日)は全面封鎖する。
加えて宮下公園の外周をフェンスで覆ったり、水を使わせないように栓を固定したりしている。災害が起きたら住民はどこに逃げ込めばいいのだろうか? 水は貧乏人の生存権に関わる。
野宿者側が年末年始の全面封鎖について、公園を管理する土木清掃部長と管理課長に聞いた。
土木清掃部長は「公園を管理する立場としてこの間(12月29日~1月3日)、供用を停止した」と答えた。
供用停止について管理課長は「(有料の)スケートボードやウォールクライミングでケガ人が出たら、管理責任を問われるから」と説明した。
公園を閉めるのは「有料スポーツ施設の安全確保」のためとしたが、それを大義名分に野宿者を排除したい底意も見える。
2010年と2013年、渋谷区は機動隊を大量に投入して野宿者を宮下公園から強制排除した“実績”がある。
野宿者と支援者が長谷部健・渋谷区長に「年末年始に宮下公園を閉鎖しないよう」申し入れたところ、次のような回答が文書で返ってきた ―
「来街者の流入等に伴う治安や風紀の乱れにより公園利用の危険が想定される・・・」(12月26日、渋谷区長 長谷部健)
明らかに屁理屈だ。年末年始(12月29日~1月3日)、野宿者たちの体を張った施錠阻止行動により公園は開いていた。
だが風紀の乱れも危険性も全くなかった。いつものようにストリートダンスに興じる若者の姿があった。
渋谷区は全国の自治体に先駆けてLGBTに婚姻証明書を出す施策を打ち出した。一見、マイノリティーに寛容であるかのように映る。
だが公園行政を見る限りでは「弱者を排除する不寛容な自治体」という他ない。
渋谷区は東京オリンピック(2020年)までに宮下公園を商業ビルに建て替える計画だ。
~終わり~