特定秘密保護法は集団的自衛権と一体のものとして、10年も前に米国から押し付けられていた―
元外務省国際情報局長の孫崎享氏が29日、新橋駅頭で開かれた「秘密保護法に反対する集会」で改めて明らかにした。孫崎氏は外交文書をもとに以下のように話した。
2005年10月、米国のラムズフェルド国防長官、ライス国務長官と日本の町村信孝外相、大野功統防衛長官が「日米同盟:未来のための変革と再編」と題する合意文書に調印した。
内容は日米同盟の強化を謳った内容だ。別段驚きもしない。履行すべき事項がまるで夏休みの宿題のように事細かに並べられている。
「機雷の掃海」「空中給油」…日本にとって集団的自衛権の行使に関わるオペレーションが書かれている。「PKOでの駆けつけ警護」も登場する。
合意文書では「日米の相互活動を円滑化するため共有された秘密情報を保護するために必要な追加措置を取る」とある。孫崎氏によれば、これが特定秘密保護法である。
安倍晋三総裁や山口那津男委員長をはじめとする自公の幹部が、ナントカの一つ覚えのように繰り返していた「安全保障環境の変化」もこの合意文書に出てくる。
2005年に合意した時、日本は自民党政権だったが、2009年に民主党政権が誕生する。
鳩山由紀夫首相が日米関係を「対等なパートナーシップ」と宣言したため、宗主国の逆鱗に触れた。
05年の日米合意を推進するのに目障りとなったため、米国は鳩山潰しにかかったのである。
手直なネタとして「沖縄米軍基地の県外移設」という選挙公約を鳩山政権が履行できそうにないことがあった。
米国はマスコミを使って徹底的に鳩山首相を叩き、官僚と共に鳩山氏を追い詰める。発足から半年余りで鳩山政権は倒れた。
米国の意に沿わぬ政権は潰されるのである。宗主国に忠実な「アメポチ政権」ほど長続きする。
特定秘密保護法は、米国の要望に沿う一方で日本国民の知る権利を奪う。アメポチ政権にとって実に好都合な法律なのである。
~終わり~