
=27日、財務省前 撮影:田中龍作=
財務省解体デモを初期の頃から見てきたが、きょう27日は移民排斥を呼びかけるプラカードが掲げられた。「移民予算を削れ」というのである。田中が見る限り財務省前では初めてである。
JICA前であった移民受け入れ反対デモ(先月28日)に参加した人の姿もあった。
この界隈のデモを長年ウォッチしてきた警察関係者は「以前はテーマごとに参加者の顔が違っていたが、最近はどこに行っても同じだね」と話す。
無理もない。街宣右翼もバラモン左翼も、人々の怒りとはてんで掛け離れたところで、それぞれのイデオロギーを主張しているに過ぎない。
自民党は幾度選挙に負けても消費税廃止とは言わない。
野党第一党(議席数で)も同様だ。ツートップが財務大臣経験者で財務省のパペットだ。二言目には財政規律と言う。

=27日、財務省前 撮影:田中龍作=
庶民の生活苦に寄り添い解決してくれる勢力はごくごく限られてきた。財務省解体デモは、そこを埋めたのである。
「消費税廃止」という最大のテーマは不変だが、新しいスローガン(シュプレヒコール)が加わった。それは―
「手取りを増やせ」。
このフレーズが受けて衆参選挙で躍進した、どこかの政党と同じ文言だ。この政党は移民に対して厳格な政策を掲げる。
この国には政治に対する不満がメタンガスのように溜まっている。上手に火を点けた者たちが選挙に勝ち権力を握る。
~終わり~
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