次から次へと遺体が発見されていった。
22日朝(日本時間)、ベイルート南部郊外にある政府系病院前の住宅地を、イスラエル軍がミサイル攻撃した。
攻撃が止むと現場では遺体回収と復旧作業が始められた。一人、また一人と短い間隔で遺体が見つかり、救急隊が搬出していった。
二人目には発見と同時に白いビニールシートが掛けられた。遺体からは早くも死臭が漂っていた。
三人目はひと目で少年であることが分かった。遺体回収作業を見守っていた老人は、少年の名前を呼びながら「●●は15か16だった」と言葉少なに語った。
現場はヒズボラの最重要拠点ダヒアの南隣。ヒズボラとは密接な関係にあるエリアなのである。
一応メディアは入れるが、制限が多い。「ノーフォト、ノーフォト」の怒声がひっきりなしに飛んできた。
ビニールシートに覆われた遺体を撮ろうとして住民に殴られたジャーナリストもいた。それもグーパンチである。
地元住民は必ず言う。「ヒズボラとは関係ないシビリアンたちが住んでいた」と。海外メディアからもらった動画インタビューを日本のテレビ局はマンマ流す。住民は明らかにそう言っている。だが実態は日本のテレビが言っていることと違う。
実態はこうだ―
住宅地の入り口にはヒズボラの旗が掲げられていたりする。旗ごしに遺体回収作業を撮影しようとしていた田中は屈強なオッサンに怒鳴り付けられた。「ノー・フォト」と。
田中は這(ほ)う這(ほ)うの体で逃げた。この日撮影した画像の全消去を命じられたのでは堪ったものではない。
イスラエルの爆撃は的確と言えば的確だ。だがヒズボラの構成員を殺害するのに、少年はじめ非戦闘員を巻き込む・・・イスラエルが攻撃する限りガザと同じ惨劇が繰り広げられていく。
~終わり~
【読者の皆様】
大借金をしてレバノンまで来ております。
アラブの民を虫けらのように殺し、国連軍まで攻撃するイスラエルの狂気を見届けたいのです。
とはいっても滞在資金が底を突きかけています。