正体はやはり自民党だった。
東大卒、財務省、在ワシントンDC日本大使館勤務というバリバリのエリートにして、世襲でもない。口だけは勇ましい神奈川県選出の某議員のように、頭が空っぽではない。
これまでのように派閥の談合で総理総裁が選ばれるのではなく、初めて能力本位で選ばれる可能性が出てきた・・・田中は淡い期待を抱いて記者会見に出席したのだが、ものの見事に裏切られた。
小林氏は「自民党は生まれ変わる」と強調しながら、裏金問題は自民党として再調査するつもりはない、とした。
小林氏は「検察のような権力、権限を持たない自由民主党が調査をするのは限界がある」というのだ。
統一教会問題について鈴木エイト氏が「小林さんの地元の有力な支援者の中に複数の統一協会の関係者、地区の幹部がいることを確認している。(それで)厳しい対応が取れるのか?」と追及した。
小林氏は「それぞれの人が私人であり、プライバシーにもおそらく関わる話です。お1人お1人の思想、心情を1人1人聞くことは限界がある」とかわした。
また小林氏は旧統一教会の教義に共感する発言があったとマスコミに報じられた問題に関しては「記憶にない」。常套句で逃げた。
小林氏は森友事件の再調査を赤木さんの妻が求めたにもかかわらず、「そういう調査や説明はもう必要ない」と毎日新聞のアンケートに答えている。
赤木さんは近畿財務局、小林氏は本省の理財局。同僚を自殺に追い込んだ原因の解明を放っておいて、国民の先頭に立つなんてことが言えるのか?―フリージャーナリストの佐藤章氏が厳しく問いただした。
小林氏は「司法のプロセスに則って解決策を出していくのが1つの在り方なのではないかと思っている」と煙に巻いた。
小林氏は冒頭の決意表明で「若者の手取り収入を増やす」と豪語した。
田中は指名されなかったため、記者会見を終えて引き揚げる間際の小林氏に「どういう政策で手取り収入を増やすのか?」と質問した。
小林氏は「それはまたの機会に」と作り笑いをして答えを避けた。
逃げるように会場を後にする小林氏。186㎝の巨躯が小さく見えた。
~終わり~