田中はきょう(7日Wednesday)も街頭に出た。戦地取材の費用を募るために。
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前回(2014年)のガザ戦争取材中、アラブ人男性は、田中が日本人であると分かると話しかけてきた―
「日本は原爆投下で廃墟にされたのに目ざましい経済発展を遂げ、戦争を放棄した憲法まで持っている」。
教科書どおりのような誉め言葉で こそばゆくも あったが、間違いではないので男性の言葉を有難く拝聴した。
ヨルダン川西岸では看護師の女性が「日本に行くのが夢。戦争をしない国だから」と言った。
戦火の絶えないパレスチナにあって「戦争をしない」ということは、願っても得られない夢のようなことなのだ。
だがパレスチナの人々が羨む日本は危うくなってきた。
観念的タカ派は「敵基地先制攻撃」と叫び、反米至上主義の観念的ハト派はウクライナで核を使おうとしたプーチンを信奉しているのである。
両派ともにオピニオンリーダーの国会議員やブンカ人がいるため始末に負えない。
今後、改憲論議が進むようなことにでもなれば、タカ派は勢いづき、観念的ハト派はさらにプーチンに傾斜するだろう。どちらに振れても危ない。
こうなったのは、メディアの報道が今ひとつ説得力に欠けていたからか。田中は自省の念をこめて取材にあたりたい。
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田中龍作ジャーナルは理屈抜き。戦地で暮らす人々の怒りと悲しみを伝えます。