チェーンソーの暴力的なエンジン音とともにイチョウが次々となぎ倒されていった。
皇居がある東京都千代田区では再開発のため神田警察署前のイチョウ並木をすべて伐採(2本だけ移植)する。
戦争で焼け野が原となった神田に、人々は火災に強いイチョウの木を植えた…戦中戦後の歴史さえ再開発の前には、いとも簡単に亡き者にされてしまうのである。
樹齢70年直径40㎝余りの巨木でさえ幹を切断するのには2分とかからない。唖然とする他なかった。
地元住民は伐採を阻止するため工事費の支出差し止めを求める訴訟などを起こしてきた。
しかし千代田区は昨年すでに7本伐採。今年は16本を伐採、2本を移植する予定だ。これでイチョウ並木は完全に姿を消す。
今年の伐採作業が昨夜(9日夜)9時頃から始まった。
イチョウを切らせまいと監視を続けてきた住民20人が、神田警察署通り南側の歩道に張り付いた。だが千代田区は裏をかいて北側の歩道を囲い込んだ。トラック、カラーコーンを置き、大勢のガードマンを配置した。
「切らないで下さい」「一度壊してしまったら取り返しがつかないんですよ」・・・住民たちから悲鳴のような叫びがあがったが、作業員たちは気に留めることもなく作業を続けた。
チェーンソーの凶暴なエンジン音が夜空に響いた。9日夜は3時間半かけて7本を伐採した。
ちなみに樋口高顕区長は、小池都知事の秘書だった人物だ。小池知事が3選されたら神宮外苑はどうなるか。察しがつくはずだ。
~終わり~
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《読者の皆様》
昨年末から借金が続いております。赤字に次ぐ赤字です。