「デジタル化により行政の効率化を図る」と謳いながら、役所の職員が悲鳴をあげるほど仕事を増やし、利用者たる国民を混乱させてばかりのマイナ保険証。
きょう23日、立憲民主党が行った厚労省、デジタル庁、総務省からのヒアリングの中で、恐ろしい実態が明らかになった。
田中も経験があるが、国保を滞納すると通常の保険証の代わりに期間限定の「短期被保険者証(例:3ヵ月のみ有効)」が交付されている。
少額でも律儀に分納すれば、4ヵ月目からもまた3ヵ月分交付される。病気になった際もこれで何とか病院にかかることができた。
ところが…
厚労省国民健康保険課によると、マイナ保険証への移行に伴い紙の保険証が廃止される。短期被保険者証も保険証のひとつなので廃止されることになる、という。
地元の区役所にも問い合わせた。国から上記の方針が降りてきている、ということだった。
マイナ保険証の場合、「この人は短期被保険者だったんですよ」という情報が残されるため、これまで通り病院にかかることができた。
だが、回線が繋がっておらず、マイナ保険証が使えない医療施設が1万8,819カ所もある。低所得者層の場合、PCを持っていなかったり、スマホの使用料金を払っていなかったりする。病院を調べて行くことなどできない。
紙の保険証の廃止に伴い「短期被保険者証」も廃止されれば、病院にかかれない層が出て来るのだ。
国民健康保険料の滞納は245万世帯、割合にして13.7%にのぼる(厚労省調べ)。経済の悪化に伴い貧困は進む一方だ。滞納者は増えることがあっても減ることはない。
国民皆保険を守ってきた一角が崩れてゆく。
~終わり~
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