毎月第2・第4土曜夕方、東池袋公園で行われる食料配布(主催:TENOHASHI)には、今回も多くの人が食べ物を求めて列をなした。大蛇がうねっているような列である。
主催者が用意した600食は24分間ではけた。全員に行き渡った。
配布開始は午後6時。先頭の男性(70代)は午後2時から待った。
午後4時から並んでいるという男性(62歳=写真・中段)に話を聞いた。
食料配布(炊き出し)に並ぶようになったのは1年くらい前から。
冷凍倉庫でコンテナ卸の仕事をしていたが、非正規社員だったこともあり、あっさりと解雇された。賃金の安い外国人労働者に取って代わられたのである。
男性は無収入となり食料配布や炊き出しのお世話になるようになった。ほぼ毎日、都内のどこかで炊き出しや食料配布があるため、食事にはありつける。電車には乗らず歩いて会場まで行く。
蓄えを取り崩しながらのネカフェ暮らしだ。
「非正規は簡単に仕事を失うからね」。無念そうな表情で語った。
労働者を皆殺しにするような勢いで雇用破壊が進む。仕事を失えばカネがなくなる。カネがなくなれば食えなくなる。至ってシンプルだ。
田中はウクライナにいた頃、ボランティア団体の炊き出しに並ぶ人々をよく目にしていた。戦争で仕事や住まいを失った結果、大勢の人が食えなくなる。戦争がもたらす惨劇である。
戦争をしているわけでもないのに、人々が食えなくなる国ニッポン。この国は確実に滅亡に向かっているのではないだろうか。
~終わり~
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