劣勢に立つロシア軍が計り知れないダメージを受けた。
けさ(8日)6時ごろ、ロシア本土とクリミア半島を結ぶクリミア大橋(全長18㎞)が爆破された。車道橋は崩れ落ち、鉄道橋は炎上した。
ウクライナ軍特殊部隊がトラックに爆薬を仕掛けたとされている。
クリミア半島に戦略物資を搬入するのに、ロシア軍は当分の間、かろうじて支配しているウクライナ本土南部のルートを使用せざるを得なくなった。
ところが南部のルートは進撃を続けるウクライナ軍の射程距離に入る。
クリミア半島は南部の一大戦略要衝ヘルソンへの補給拠点になっていた。補給拠点への補給路が絶たれたのである。
代替ルートの南部経由は、いつウクライナ軍に寸断されるか分からない。時間も2~3倍かかる。
戦略要衝ヘルソンへの補給は危うくなったのである。
クリミア大橋の下には水道とガスパイプラインも通っており、それらの供給路も絶たれた。クリミア住民193万人の生活に大きな影響を及ぼすことは避けられない。
キーウ市役所前にはクリミア大橋が炎上する絵画の掲示板が設けられた。市民は記念撮影に興じる。
2月の開戦直後を思い出す。ウクライナ軍の地対艦ミサイルが、ロシア海軍の旗艦モスクワを撃沈し、街には「ロシア海軍糞くらえ」の横断幕が溢れた。
旗艦モスクワの撃沈は、ウクライナ側の緒戦の劣勢を吹き飛ばすのに十分な起爆剤だった。
クリミア大橋の爆破により、ロシア軍の南部戦線は窮地に追い込まれた。
~終わり~
◇
読者の皆様。
田中龍作はたった一人で通常戦と核戦争の両方を見届けなくてはならなくなりました。
疲れ果てていますが、いま倒れる訳にはいきません。ご支援何とぞ御願い申しあげます。