ロシア軍の制圧下で危険な状態にあるザポリージャ原発から放射能漏れが起きた場合に備えて、ザポリージャ州では原発から50キロ圏内の住民にヨウ素剤を配布している。
8月25日から、病院や学校で希望する住民に渡し始めた。初日の実績だけ見ても大人用4,029錠、子供用1,138錠を配布した。
原発から50キロ圏内といっても、ロシア軍制圧下の地域の住民への配布は物理的に困難だ。配布しようにも配布できない状態となっている。
ザポリージャ原発が立地し、ロシア軍の基地と化したエネルホダル市には、人道援助として2万5千錠の配布が計画されたが、配布されたのか、まだなのか、明らかにされていない。
思い出すのはドンバス地方での年金給付だ。州政府の庁舎が武力で親露派に占拠されてしまった2014年以降、中央政府が年金を給付しようにもできなくなってしまった。
エネルホダル市の住民にヨウ素剤が渡っていなければ、ロシア側が「人権問題だ」と言って付け込み、プロパガンダに利用しそうだ。
~終わり~
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読者の皆様。
IAEAがやっとの思いで査察に入れましたが、ロシア軍が基地化する状態は続きます。
原発を盾に取るという、人類が経験したことのない事態を伝えるために田中はウクライナに留まっておりますが、宿泊費や人件費がかさんでおります。
ご支援何とぞ御願い申し上げるしだいです。
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