【ウクライナ発】キエフ市内にシェルター4,500ヵ所 

シェルターの主力備品はガスマスクだった。=3日、キエフ市 撮影:田中龍作=

 それはソ連型アパートの地下にあった。階段を降りて行くとカビた匂いがした。

 銀行の金庫のような分厚い扉は、二重になっていた。案内してくれたユーリーさん(公務員57歳)は「核攻撃があってもいいようにしてるんだ」と話した。

 広い部屋が幾つもあった。320人を収容するとあって大型の空気清浄機が備えられていた。飲料水のタンクも5~6基。

 トイレは男女別々で子供用もあった。なかなかの居住環境だ。ソ連時代の1985年に建設された。

 空爆があった場合、公務員やインフラ整備の担当者がこのシェルターから市民に指示を出す、という。

シェルターの扉は分厚くて二重だった。=3日、キエフ市 撮影:田中龍作=

 ウクライナは冷戦時代、核ミサイルの対西側前線基地だった。一朝事あらば真っ先に攻撃の対象となる。

 首都キエフだけで4,500もの数のシェルターがあるのは、ウクライナの置かれた環境を物語っている。

 シェルターはスーパーの地下にあったりする。

 キエフ市役所制作のグーグルマップは4,500ヵ所すべてを網羅しており、空爆があれば、すぐに駆け込めるようになっている。

 4,500のうち幾つがソ連時代に建設されたものなのか。セキュリティー上の問題もあり定かではない。

 東京都内の交番の数は824(警視庁HPより)。キエフにはその5.46倍のシェルターがあることになる。驚くほかない。

 東西冷戦の前線に立たされてきたウクライナの宿命だろうか。

シェルターの入り口はアパートの一階にさりげなくあった。=3日、キエフ市 撮影:田中龍作=

 ~終わり~

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