河野太郎ワクチン担当相が、きょう10日、自民党総裁選挙への出馬を正式に表明した。
国会内で開いた記者会見で河野氏はこう切り出したー
「皆さんの思いや不安を受け止め、情報を皆さんと共有し、しっかりとしたメッセージを出し、皆さんと共に直面する危機を乗り切らなければならない」
官僚に怒鳴り散らすが、果断に決断する政治家であると微かに期待を抱いていた。だが、それは質疑応対で裏切られた。
森友学園事件の再調査をするのか、とマスコミに問われた河野氏は「検察が動いている(動いた)ので再調査をする必要はない」と答えたのだ。
公文書が改竄され公務員が自らの命を絶った森友事件は、ウヤムヤにされたまま幕引きされた。安倍支配が検察にまで行き渡っていたことを示す現代史の暗部である。
田中は運よく指名されたので次のように質問した。
「(河野氏が)冒頭述べたように国民と情報を共有するのであれば、国民が一番知りたがっている森友事件の再調査が必要ではないか(中略)・・・河野太郎とあろう者が何に怯えているのか、安倍の支援がそんなに欲しいのか?」
河野氏は「国民がいま一番知りたいのはワクチンだ」とかわした。自画自賛を込めた答弁である。
田中は「歴史をヘシ曲げる民族は滅びますよ」と食い下がった。マイクを取られていたため、音声は鮮明でなかったが。
安倍元首相の後ろ盾でやっとこさ立候補できた高市早苗前総務相が、「森友の再調査をしない」とするのは、それなりに理解できる。
だが、河野氏も岸田氏も「再調査はしない」と明言したのである。3候補の誰が総理となっても安倍の影を背後に背負う、ということだ。傀儡となることは目に見えている。
原発についても「安全が確認できた原発から再稼働していくのが現実的」と答えた。
初入閣する(2015年)までは、声高らかに「脱原発」を唱えていた河野氏はどこに行ったのだろうか?
次期内閣が安倍政治の継承となるのは避けられない。
~終わり~