聖火リレーがスタートした今日25日、東京五輪に反対する人々がオリパラ組織委員会に向けてデモを掛けた。
聖火リレーは新聞テレビの大本営発表とはウラハラに、数えきれないほどの辞退者が出た。この日のデモ参加者は、広範な人々がオリンピックに反対していることを物語っていた。
Aさん(会社員・30代男性)は、五輪反対デモに初めて参加した。通勤カバンを肩から下げて、シュプレヒコールをあげながらデモコースを歩いた。
「オリンピックなんぞやってる国ではない。なんとしてでも止めたい」と力を込めて語る。
Aさんは子供の頃からサッカー選手で、社会人となった今も地域のサッカーチームに所属する。
サッカーを愛してやまないAさんが顔を曇らせた。「聖火リレーに『なでしこジャパン』が参加した。ガックリきた。心が離れた」と言って。
デモコースは新橋駅前→中央通り→銀座4丁目→晴海通り→築地→晴海トリトン。
銀座4丁目の三越前からは築地女将さん会が飛び入り参加した。築地移転を促進させたオリンピックには恨みが募る。
今は更地となった魚河岸跡を通過する時、女将さんたちは「オリンピックは要らない」「築地を返せ」と絶叫した。
晴海通りをデモ隊が歩くなど見たことも聞いたこともない。白髪のベテラン公安刑事は「初めてだよ」と話す。聖火リレーが始まったことへの御祝儀だろうか、と勘繰りたくなった。
1時間ほど歩くと、デモ隊はオリパラ組織委の入る晴海トリトン前に着いた。一気にビルの外階段を駆け上がり、2階にある玄関から、オリパラ組織委に突入しようとした。
だが、警察とガードマンの厚い壁に阻まれた。私服刑事が「入ったら検挙するからな」と通告した。
間もなく制服警察官が増派され、デモ隊は敷地の外に押し出された。国家権力がオリンピック開催をゴリ押しするのを想起させる光景だった。
~終わり~