一般公開されている宗教施設に入ったところ「建造物侵入罪」で刑事被告人にされたジャーナリストに対して、東京地裁はきょう15日、有罪判決を言い渡した。
検察の求刑通り罰金10万円を課した。ただし2年の執行猶予付き。
被告の藤倉善郎氏は新興宗教に詳しい「やや日刊カルト新聞」の総裁でジャーナリスト。
事件の背景はこうだ―
藤倉氏が幸福の科学をめぐる暴露話を週刊新潮(2012年11月15日発売)に執筆した。
教団側は教団関連施設への出入り禁止を藤倉氏に通告。氏と週刊新潮を名誉棄損で訴えたが、司法は教団側の訴えを斥けた。(2016年確定)
こうした流れのなかで藤倉氏が刑事被告人となる、本件が起きた。
2018年1月17日のことだった。氏は宗教法人・幸福の科学の一般公開施設「初転法輪記念館」(東京・西日暮里)に取材目的で入った。これが建造物侵入罪にあたるというのである。
弁護団は「一般公開されている施設への入館は建造物侵入罪にあたらない。藤倉被告に建造物侵入罪を適用すれば、取材の自由(国民の知る権利)を侵害し違憲である」として無罪を主張していた。
きょうの判決公判で三浦隆昭裁判長は「管理者の意志に反する立ち入りだった」として「取材の自由も不当に権利を侵害することは許されない」との判断を示した。
記者の取材活動(表現の自由)を制限することに、司法がお墨付きを与えたのである。
藤倉被告は「納得が行かない」と判決を不服とした。紀藤正樹弁護団長は「控訴以外に選択肢はない」と明らかにした。
~終わり~
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藤倉氏は裁判費用をクラウドファンディングで賄っています。