「(社会主義を一切標榜しない)立憲に合流する一方で、社会民主主義は継続させる」・・・選挙で生き残りたいだけの議員たちが提案した、わけの分からない議案が、きょう14日、開かれた社民党臨時党大会で可決された。賛成84、反対75。僅差だった。
社民党の国会議員は現在4名。吉田忠智幹事長と吉川元・常任幹事は離党して立憲に合流する方針だ。照屋寛徳議員はすでに引退を表明している。
福島みずほ党首は社民党に残る。社民党自体も存続する。
カラクリはこうだ―
解党するには党の規約に基づき3分の2を取る必要がある。だがそれは取れない。そこで、立憲に行きたくてたまらない議員たちが、過半数を取れば可決する大会議案を提案してきたのだ。吉田忠智幹事長、吉川元・常任幹事らである。
議会制民主制をとりながら社会主義を目指し、プロレタリア独裁は認めない・・・社民党は社会民主主義に愛着を持つ党員によって成り立つ。提案は党員たちを手離さないための術策でもあった。
社民党員を呼び込む具体的なカラクリとして「社民フォーラム(仮称)」がある。立憲に移った吉田幹事長らは同フォーラムを社民党員の受け皿とする予定だ。
広島の代議員は「社民党でこのまま頑張ろうという党員を『こっちに来い』と引っ張らないでほしい。社民フォーラムなどというアウシュビッツ行きの列車に乗せないでもらいたい」と懸命に訴えた。
綱領の違う党に連れて行かれるということは政治信念の死なのである。
党関係者によると「社民フォーラム」は11月末にも総務省に政治団体として届け出がされる。吉田幹事長は記者会見で「まだ決めていない」と言葉を濁した。
大会は紛糾した。賛否が真っ二つに分かれているからだ。怒号が飛び交い発言が聞き取れないほどだった。
合流に反対する大阪の代議員の言葉がズシンと響いた—
「社民党が小さくなったから日本の政治がおかしくなった。弱い立場の方々、労働組合にすら入れない働く人たちのための元祖政党として社民党は闘っていく」。
社民党の前身である社会党の全盛時代は、庶民のためにならない政策に対して、労働組合がストを打ち、資本側や政権に大きなプレッシャーをかけていた。
総評が連合に参加せず、社会党が勢力を維持していれば、日本はここまで貧しくならなかった。
~終わり~