手作りマスクの素材を求めて右往左往した人々が、とうとう赤ちゃん用品にまで手を出し始めた。母乳パッドがあちこちで完売しているというのだ。
一夜明け、最寄りのドラッグストアに行ってみたところ、1種類しか置いてない母乳パッドがここでも完売していた。
「赤ちゃん用品にまで手を出さないで」と言う悲鳴がTwitter上に上がっていた。
自分の命を守るためなら、人がどうなろうと構わない。買い占め騒動のような状況が、まだまだあるようだ。
いっぽう、アベノマスクが廃棄ガーゼで作られていると言うニュースが流れ始めたからか。19日、国産マスクを製造販売するアイリスオーヤマの自社サイトでは、マスクが1時間30分で完売した。
次はいつ販売が開始されるのか未定になっている。
明日21日から、家電メーカーのシャープが、生産に踏み切った国産マスクがネット販売される。
アイリスオーヤマで起きたような激戦が起きることは想像に難くない。
毛髪や虫いりでない、クリーンルームで作られたという、有名企業の国産マスクを皆待ち望んでいるのだ。
国際的マスク争奪戦の最中、一般国民はいつになったら安心できるマスクを妥当な値段で手軽に入手することができるのであろうか。
アベノマスクを配らずに、各都道府県に10億円ずつ配り、マスク工場を建設したらよかったのではないか。
所得補償もせずに自粛要請だけするような政府を放置していたツケが回ってきたのである。
ちなみに筆者は、 Yahoo!ショッピングで4月8日にマスクを注文したが、まだ届けられていない。心配になって販売元のホームページを覗くと、品切れ表示が出ていた。
販売元に問い合わせすると、「品物はあります。発送が追いつきません。山積みになっています。来週末までには発送したいです」と返事が返ってきた。
この言葉を信じてもう1週間待つしかなかった。
昼飯に出た先のビルに入っているドラッグストアになんと3枚入りのマスクが販売されていた。筆者はたった2つ残っていたうちの1個をつかんだ。
最後の1個をつかんだのは、ワイシャツ姿のサラリーマンだった。それはピンクの女性用小さめマスクだ。奥さんにでもあげようと言うのか。
あるいはもはや贅沢は言っていられない、ピンクだろうが小さめだろうが、そのマスクで満員電車に揺られなくてはいけないのかもしれない。
〜終わり〜
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