電話相談。「外回りなのに会社はマスクを配ってくれない。俺に死ねというのか？」と思い詰めた労働者もいた。＝24日、都内 撮影：田中龍作＝
非正規労働者という名の弱者が、疫病の犠牲になりそうだ。
労働者を対象に新型コロナウイルスに絡んだトラブルや心配事を聞く電話相談が、きょう、あった。主催したのは労働組合のジャパンユニオン。
電話はひっきりなしに鳴った。
「コロナの影響で仕事がなくなった。会社（派遣先）から来なくていいと言われた。給料は出ない」。こう電話してきたのは派遣労働者の娘を持つ母親だ。
ドサクサ紛れで経営者は「新手の派遣切り」を繰り出してきたようだ。
病院事務のパート労働者は「勤め先の歯科医が新型コロナの影響で休診しそうだ」と話す。不安は「給料が出ないのではないか？」。
相談員は次のようにアドバイスした―
「労基法26条によれば、会社都合で仕事を休ませる時は、通常の賃金の60％以上を支払わなければならない。払わなければ会社が罰せられます」。
貿易会社の派遣労働者は―
「社員8人のうち4人が体調不良。2人は咳。2人が発熱。にもかかわらず社長がまったく無頓着で、社員に受診をうながさない。不安でしょうがない」。
この他にも「この時期にベトナムへの社員旅行を強行しようとしている。どうにかならないか？」という相談もあった。
ジャパンユニオンには電話が2回線しかないため対応には限界があったが、きょう１日で36件の相談があった。
ジャパンユニオンではあす25日以降も、新型コロナをはじめとする電話労働相談を受け付ける。
TEL 03-3604-1294 / 03-3604-5983
サラリーマンは咳が出ても会社を休めない。非正規労働者は休んだら稼ぎがなくなる。＝都内、撮影：田中龍作＝
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