「高齢の非正規労働者1万3千人を一斉解雇」認める控訴審判決 みんな将来こうなる  

判決後、記念撮影をする原告団。=5日、東京高裁前 撮影:筆者=

判決後、記念撮影をする原告団。=5日、東京高裁前 撮影:筆者=

 採用時には定年がなかったのに就業規則が突如として変わり「65歳定年制」が導入され、非正規の高齢労働者1万3千人が2011年9月、一斉解雇された―

 そのうち9人が雇い主である日本郵政に対して「雇用の継続」などを求めていた訴訟の控訴審判決がきょう、東京高裁であった。

 水野邦夫裁判長は一審判決を支持し原告の控訴を棄却した。判決理由で「雇用契約の更新限度の上限(65歳)を設けた就業規則は公序良俗に反するものではない」とした。

 裁判長は高齢を理由にした雇い止めを「不合理なものではない」とまで踏み込んだ。傍聴席を埋めた非正規労働者からは怒声があがった。「不当判決」「会社の犬」・・・

原告団の報告集会。口々に不当判決であることを訴えた。=5日、弁護士会館 撮影:筆者=

原告団の報告集会。口々に不当判決であることを訴えた。=5日、弁護士会館 撮影:筆者=

 非正規労働者は退職金がゼロ円。年金もわずかだ。雇い止めにされれば路頭に迷う。

 労働力調査(総務省統計局)によると、2015年の65歳以上の非正規労働者は267万人と前年比33万人もの増加だ。年金支給年齢に達しても働き続けなければ生きていけない。

 厚生労働省がきょう発表した生活保護についての調査(今年7月分)では、高齢者世帯が前月比で922世帯増加し、83万3,447世帯となった。

 65歳以上の非正規労働者が33万人も増加し、働けなくなった高齢者の生活保護があきらかに増えている。

 労働者派遣法の改悪により、非正規労働者は2次曲線を描くようにして増加する。

 労働法制が改善されない限り、若者の非正規労働者も将来、高齢を理由に雇い止めされて路頭に迷うことになる。

 働きたくても働けない。生活保護の網からも外される。下流老人で溢れかえる世の中がもう到来している。

   ~終わり~

関連記事:
年金・貯金ゼロ 下流老人、数千万人が日本を席巻する日

田中龍作の取材活動支援基金

■郵便局から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
記号/10180 番号/62056751

■郵便振替口座

口座記号番号/00170‐0‐306911

■銀行から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
店名/ゼロイチハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/018 預金種目/普通預金 口座番号/6205675 口座名/『田中龍作の取材活動支援基金』

■ご足労をおかけしない為に

ゆうちょ銀行間で口座引き落としができます。一度窓口でお手続きして頂ければ、ATMに並んで頂く手間が省けます。印鑑と通帳をお持ち下さい。
記号/10180 番号/62056751 口座名/タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン

連絡先
tanakaryusaku@gmail.com
twitter.com/tanakaryusaku

雇用