ここまでやるか、というような事態が起きた。東村高江のヘリパッド建設予定地沿いの県道70号線 ―
警察は22日未明から建設資材・機材を搬入するゲートに向かう区域を封鎖したのである。すべての車両が対象だ。建設反対派も賛成派も関係ない。タクシーも通れなかった。完全封鎖である。
封鎖の目的は建設反対派を強制排除するためだった。反対派市民が応援に駆け付けても入れない。500人規模の機動隊による暴力を衆人の目にさらさなくても済む。
今回の道路封鎖は憲法22条が保証する「移動の自由」に明らかに違反する。集会の自由(21条)も奪うことになる。
この日はトイレに行った反対派の女性がゲート前に戻れなくなる事態も発生した。トイレは封鎖地点のちょうど外側にあったためだ。
権力の濫用は道路封鎖ばかりではない。沖縄防衛局は県道区域にある反対派テントを撤去した。道路管理者は県であるにもかかわらず、だ。
いかなる法的根拠に基づき撤去したのであろうか。法的根拠がなければ、超法規措置ということになる。
自民党憲法草案のうち最も危ないとみられているのが緊急事態条項(98条)である。内閣総理大臣が緊急事態が発生したと判断した場合、個人の権利を制限できるのだ。衆院選挙も行われなくなる。独裁体制が整うのである。
アベ官邸は高江で緊急事態条項発動の予行演習をしたのだ。沖縄でいま起きていることは、いずれ本土でも起きる。そうなった時はもう遅い。
~終わり~