ロンドン五輪メインスタジアムの約3倍、旧国立競技場の5.6倍もある超巨大な新国立競技場。
建設計画がゼロベースで見直されるのに伴い、すでに決定していた都営アパートの取り壊しが宙に浮くことになった。
民主党が新国立競技場問題できょう、文科省、内閣府、JSC(日本スポーツ振興センター)からヒアリングした。
都営霞ヶ丘アパートの取り壊しについて文科省の白間竜一郎スポーツ・青少年総括官は「(ゼロベース見直しにより)前提が変わっているので確認する」と答えた。取り壊しの見直しに含みを残した格好だ。
しかし文科省スポーツ青少年局は『田中龍作ジャーナル』の電話取材に「(都営アパートの取り壊しは)東京都の都市計画に基づくもの」と答えた。
文科省は良く言えば東京都に下駄を預けた。ありのままに言えば東京都に責任をなすりつけた。
東京都住宅整備課に聞くと「都市計画決定が変更になっていないので(住民に)移転をお願いしている」と答えた。取り壊しの方針に変わりはないということだ。
明治公園をはさんで旧国立競技場敷地の南隣に位置する都営霞ヶ丘アパートは、ザハ・ハディド氏デザインの超巨大施設が建設されるため、取り壊され住民は強制退去させられることになっている。
明治公園が新国立競技場の敷地に入るため、都営霞ヶ丘アパートのある場所にスライドしてくるからだ。(名称まで明治公園というのかは、未定)
しかし超巨大施設の建設計画は白紙撤回された。初期のデザインにあったカブトガニの尻尾はすでにない。明治公園を塞ぐ必要はなくなったのだ。都営霞ヶ丘アパートは理論上、残って当然になってきた。
アパートの住民は都から来年1月までに退去するよう言われている。400世帯のうちすでに260世帯が他の都営住宅などに引っ越した。現在、140世帯が残っている。
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