国会周辺を埋めるのは「反アベ」だけじゃない ―
「アベ親衛隊」とおぼしきグループが、きょう、首相官邸前や議事堂正門前で日章旗を林立させた。
安倍首相キモ入りの安保法制(戦争法案)は、政府が答弁すればするほど分からなくなる。国民の評判はすこぶる悪い。
毎日新聞と日本テレビの世論調査では、安倍内閣の支持率が不支持率を下回った(12日現在)。
焦りの色を濃くする安倍首相は「決めるべき時には決める」として今週中にも戦争法案を強行採決し衆院を通過させる意向だ。
憲政史上に汚点を残すような強行採決に踏み切れば、安倍政権へのダメージは計り知れない。
首相を取り巻く厳しい状況を忖度したのか。日章旗を掲げるグループは「安保法制推進」のアピールに懸命だ。
集会の主催者は「チャンネル桜」の水島総社長率いる「頑張れ日本」だ。
水島氏は「私たち草莽(そうもう)が決起して安倍政権を支える。日本の危機を自らの手で支えなければならない」と声をあげた。
稲田朋美・自民党政調会長の実父・椿原泰夫氏(反日教組の元高校教諭)も演台に立った。
「自民党はやるべきことはやる。それが国のためだ・・・」。椿原氏は安倍首相が乗り移ったようなフレーズを発した。
さすが安倍首相と思想を同じくする稲田政務会長の父親だけのことはある。
参加者は1,000人ほどだっただろうか。60代の男性は「安倍首相は時間がないんだ。尖閣諸島に上陸されたらどうするんだ?」と危機感で一杯だ。
このグループは2日前にも、戦争法案反対を訴える市民団体が座り込みを続ける国会前(衆院会館前)に押しかけている。
警官隊が間に入り事なきを得たが、一触即発の事態となった。
「朝鮮総連の前で戦争しないと言ってみろ」「中国大使館がどこにあるか言ってみろ」・・・グループはスピーカーのボリュームを一杯にあげて、がなり立てた。
昨年末の総選挙で田母神俊雄・元空幕長が立候補し、自民党よりも右寄りだと言われる「次世代の党」の国会議員も駆けつけ、現場はヒートアップした。
同志の応援に駆けつけたのは和田正宗議員だ。和田議員はNHKの日曜討論で「中国からマッハ10でミサイルが飛んで来たらどうするんですか?」などと安倍首相が聞いたら泣いて喜ぶような主張をする御仁だ。
「日本の平和を守るためにこんな抗議活動はなくていい」。マイクを握った和田氏は座り込みの市民団体を批判した。
きょうの集会にはアベノウヨクと一線を画す、民族派の「憂国我道会」などがカウンターに立った。
「明らかに日本を戦争に持って行くような法案だ。日本を守るのではなく、その逆。日の丸を立ててアベを担ぎ上げているだけ」。リーダーの山口祐二郎氏は語気を強めた。
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