秘密保全法案(特定秘密保護法案)は自公が合意し、国会上程が確実になった。「何を秘密にしたのかは公表しない」「秘密事項を指定するのは行政の長」…。
“こんな暗黒法をこのまま通してはならない” 危機感を抱く市民たちが懸命の街宣活動を続けている。
「シール投票」を呼びかけているのは「秘密保護法を考える市民の会」だ。きょうは上野アメ横で道行く人に投票を呼び掛けた。2時間にわたる投票の結果は「賛成23票」「反対105票」「わからない133票」。トップは「わからない」だった。
反対に投票した男性(自営業者・男性50代)は「主権者たる国民の知る権利がなくなる。有権者は政治家のクライアントなのだから言った通りにやってくれなきゃ困る(=国民が願ってもいないことをしてほしくない)」と憤る。
東京への出張中に通りがかったビジネスマン(40代)は、『わからない』に投票した。「マスコミが言わないので、よく知らない」とボソリ。
「政府にもの申す場」として定着した首相官邸前ではきのう(22日)から、秘密保護法案に反対する集会が行われている(主催:プロジェクト99%)。今夕も勤め帰りのサラリーマンや家事を終えた主婦などが足を運んだ。参加者は約200人。
「特定秘密は何のため」「特定秘密は誰のため」…ドラム隊が打ち鳴らすリズムに乗ってシュプレヒコールが響いた。金曜恒例の原発反対集会とよく似た雰囲気と熱気だ。
武蔵市の女性(40代)は、学童疎開世代の母親(昭和8年生まれ)からよく聞かされていた話を思い出しここに駆け付けた、という。「戦争は急に始まるんじゃなくて徐々に分からないうちに進められる。気がついた時は誰も抵抗できなくなっている」。母親の言葉が身にしみている彼女は「戦前に戻してはいけない」と、危機感を募らせた。
平成の治安維持法といわれ警戒すべき秘密保全法案(特定秘密保護法案)なのだが、マスコミは肯定的にとらえているようだ。
世論調査によると『賛成』はフジ・産経の83・6%を筆頭にTBS75%、テレビ朝日65%などとなっている。最も批判的な毎日でさえ57%が賛成だ。(政府資料より)
知る権利が奪われればマスコミは情報を独占できる。国民に真実を報せずに新聞が戦争を煽った昭和初期を思い起こす。
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