【生活保護費削減】 「これ以上破壊されたら命を絶つしかない」

「もし生活保護費を引き下げられたら、暮らしはどうなるのか?」当事者たちは口々に不安を訴えた。=19日、衆院会館 写真:田中撮影=

「もし生活保護費を引き下げられたら、暮らしはどうなるのか?」当事者たちは口々に不安を訴えた。=19日、衆院会館 写真:田中撮影=

 生活保護費の大幅削減に「待った」をかけようと受給当事者や支援者たちがきょう、国会内で集会を開いた。

 政府が生活扶助費を3年間で670億円削減することを決めたことは、読者諸氏もご存じの通りだ。削減幅は平均6・5%で、受給額が減る世帯は96%にのぼる。

 これとは別に政府は就労支援の強化や医療扶助の適正化などいわゆる「生活保護制度の見直し」によって450億円を削減する方針である。

 政府が生活保護費を大幅削減する根拠は「デフレ」に置いている。変だ。値段が下がっているのは高級品で、食糧、光熱費などの生活必需品は値上がりしているのである。生活保護を受給している214万人(156万世帯)は、ツメに火を灯すようにして暮らしてきたと言ってもよい。

 「これ以上減らされたらもう生きてゆけない」。生活保護受給の当事者が実情を訴え、支援の法律家たちが政府案の問題点を指摘した。

 母子家庭を支える母親は多発性硬化症という難病を患い、子供も病気療養中だ。生活保護はまさしく命の綱である。

 「もし保護費が下がったらどんな生活になるのだろうか。水道、光熱費も節約しながら暮らしている。欲しい物があっても深呼吸して何も買わずに帰ってくる。何を節約していいのか分からない位です。普通に笑って過ごしたい。普通に生活したいだけです…」。彼女は時おり声を詰まらせながら訴えた。

 東京・北区の男性(75歳)は両手、両足に障害を抱える。「灯油代、電気代の値上がりで生活が破壊されている。これ以上破壊されたら命を絶つしかない」。男性は自由の効かない体から声を振り絞るようにスピーチした。

国会議員の事務所を訪ねて陳情書を秘書に渡す当事者や支援者。=写真:田中撮影=

国会議員の事務所を訪ねて陳情書を秘書に渡す当事者や支援者。=写真:田中撮影=

 集会の後、受給当事者や支援者は手分けして国会議員の事務所を回り「生活保護費を削減しないように」と陳情した。

 生活保護基準の引き下げは、最低賃金や住民税の非課税などに連動する。長妻昭元厚労相が国会で追及したところ、生活保護に連動するのは38制度(19日現在)にも及ぶことが分かった。就学支援、介護保険料、公営住宅家賃の減免…などだ。

 裾野は実に広い。生活保護受給者だけの問題にとどまらないのだ。低所得者の生活はさらに厳しくなりそうである。

田中龍作の取材活動支援基金

■郵便局から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
記号/10180 番号/62056751

■郵便振替口座

口座記号番号/00170‐0‐306911

■銀行から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
店名/ゼロイチハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/018 預金種目/普通預金 口座番号/6205675 口座名/『田中龍作の取材活動支援基金』

■ご足労をおかけしない為に

ゆうちょ銀行間で口座引き落としができます。一度窓口でお手続きして頂ければ、ATMに並んで頂く手間が省けます。印鑑と通帳をお持ち下さい。
記号/10180 番号/62056751 口座名/タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン

連絡先
tanakaryusaku@gmail.com
twitter.com/tanakaryusaku

, , , , .