13年に渡って続いた石原都政によりボロボロにされた女性たちがリベンジに出た。明日(29日)告示の東京都知事選で宇都宮けんじ候補予定者を応援する「女性勝手連」を立ち上げたのである。
去る24日、女性たちが「東京ウィメンズプラザ」(港区青山)で都政についての意見交換会を開いた。
今や「女性の半分は非正規」、「単身女性の3人に1人は貧困」、女性の貧困問題が社会問題となりつつある。賃金格差や雇用差別は、未だ当たり前のごとく存在する。
石原知事君臨以降(1999年~)、都庁の中でもあまりにも不公平な人事が繰り返されてきたという。「歴代副知事の内、女性はたったの1人。約40年前の美濃部都政で一度だけだった。現在52の局長ポストがあるが、局長に就いている女性は1名のみ。管理職になれない女性職員は本当にたくさんいる」。女性勝手連のメンバーの1人で、10年以上、都職員として働いた丹羽雅代さんは、石原都政になってからことごとく削られてきた女性支援策を語った。
「今では跡形もないが、美濃部都政で打ち出された女性政策は全国トップレベルだった。70年代にはすでに『離婚の母の家』が作られ、DV被害者のシェルターとして機能していた。
1991年には東京都男女平等推進基金として100億円の予算が付けられた。会場のウィメンズプラザも女性が集まって活動できる場所ということで作られた。さらに画期的な政策として都が打ち出したのは“セクシャル・ハラスメント、女性に対する暴力などの訴訟費用支援”だった」。
女性の地位向上のための政策は、鈴木都政、青島都政となっても、向上とまでは言わないが、後退することは無かったという。
「石原都政が始まると、準備していた女性のための訴訟費用支援は雲散霧消。先の100億円の予算も一般予算へ吸収。ウィメンズプラザも都の直轄となり、今では書籍の購入にも都庁の選定委員会が入る有様。女性問題に関する貴重な資料の多くは地下室送りとなった。彼(石原元都知事)は、女が大きな顔をするのが我慢出来なかったんですね」。丹羽さんは悔しそうに語った。
宇都宮氏が別の勝手連での挨拶を終え駆けつけた。副知事問題を聞いていなかったにも拘わらず開口一番、男女格差を指摘した。
「日弁連では2名の女性が副会長となっている。副都知事も半数は女性にするべきだと思う。都政とは都民の声を聞かなければいけない。都民の半分は女性なのだから、女性の声が反映される自治体にしなければいけない」。
石原都政という暗雲が去り、光が差し込む瞬間のごとく、会場からは拍手が湧いた。
「住民の福祉の充実は地方自治法1条で定められている。この町に住んでよかったと思われなければいけない。都知事だけではダメで、そこに積極的に都民が関わらないとダメだ。今回の都知事選はまさにそういう運動だと思う」。
多重債務者救済など、弱者の為に人生を捧げてきた宇都宮弁護士だから言える言葉である。
世界経済フォーラムの男女平等ランク101位の日本は、女性の議員や企業幹部の少なさが指摘されている。女性勝手連は、女性副都知事の実現をはじめ、男女平等教育の推進などの男女平等政策を提案している。
宇都宮都知事が誕生すれば、労働市場でうまく活用されていない女性の将来に期待が持てそうだ。