マスコミが意図的に小さく扱う「国民の生活が第一」の結党パーティーが25日夜、都内のホテルで開かれた。
「おばんでございます」。開会に先立ち、三保恵一・福島県二本松市長が挨拶した。「二本松市には浪江町から役場ごと3千名が避難して来ていて、先の見えない避難生活を送っている。対応が遅々として進まない。脱原発を進めていかなくてはならない」と語った。
福島からはこのほか、JA代表や幼い子供を持つ郡山市の主婦などが登壇し口々に「原発事故で苦しんでいるのに消費税を上げるのか」「安心して子育てができる生活が欲しい」と訴えた。
「消費税増税」、「TPP締結」、「原発再稼働」に突き進む民主党にあいそをつかした議員たちが離党し、結成したのが「国民の生活が第一」だ。当然、「増税反対」「TPP反対」「原発ゼロ」が政策の三本柱となる。
小沢一郎代表は次のようにスピーチした――
「原点に戻る。新党としての具体的な政策を論議しています。当面、国民にアピールしなくてはいけないことは消費税大増税を何としても凍結、廃止しなければならないのが第一点であります。もう一つは、国民の生活に大きなダメージを与えた原発をゼロ、脱原発を実現しようということです…(中略)…本当に子子孫孫、将来安心して暮らせる日本にするために政策を実行しなければならない…(後略)」
評論家の勝谷誠彦氏が登壇し、新党「生活」登場の背景をスパイシーに語った――
「数日前から復興予算がどんなひどい使われ方をしているか(新聞に)出ています。あんな奴ら(官僚を指す)に皆さんの消費税を任せることができますか。私が尊敬する学者がこう言っていた。『原発に賛成している産業界。自分たちはマケて(安くして)もらえるから増税に賛成している大マスコミ。こいつらは恐竜みたいなものだ』。恐竜が滅びた後出てくるのは、小さくても賢い皆さんのような一人ひとりの哺乳類だ…」
パーティーには原発に反対し子供を守る活動を続けている福島の女性6人が参加した。福島市在住の佐藤幸子さんは、「生活」に所属する国会議員一人ひとりと名刺交換し「原発を止めて下さい」と“陳情”した。
パーティーに参加した理由を佐藤さんに聞いた。「子供を守るためにあらゆることをする。きょうは国会議員に訴えに来た」。
「『生活』を選んだ理由は?」
「民主党は私たちを今苦しめている。自民党は論外。本気かどうかは分からないけど、『生活』は明確に脱原発を掲げているから」。
「生活」の「脱原発」は選挙目当てだとの指摘もある。それでも原発が止まり、無駄な消費税は払わなくても済む。庶民が病院にかかれなくなる可能性が高いTPPなんぞに加盟せずに済む……であれば支持したくなるのが民の心情ではないだろうか。
《文・田中龍作》
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