「ナイキ・パーク」~公共の場奪う市場原理主義

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警察隊はなだれ込むとわずか10分で、ホームレス支援組織や市民活動家を排除した。(24日午後2時、宮下公園ゲート前=渋谷区=写真:筆者撮影)

 「ナイキ・パークにするな」「人間が生活する権利を奪うな」……ホームレス支援組織や市民活動家のシュプレヒコールが響くなか、宮下公園で渋谷区による行政代執行が行われた。

 渋谷区はスポーツメーカー「ナイキ」に1年につき1700万円の契約で宮下公園の命名権(ネーミング・ライツ)を売り渡し、ナイキは自らの企業名を冠した公園でスケートボード場などの遊技施設を運営する。公共の場を一企業の営業のために供してよいのかという疑問の声も多い。

 公園整備を名目に野宿者が排除されることからホームレス支援組織などが反対してきた。24日は行政代執行が行われることをwebなどで知った市民活動家が関西などから駆けつけた。工事用の車両を入れさせまいと、公園ゲート前に30人が座り込んだ。

 区の土木部長が代執行の宣言文を読み上げたのが午前10時。支援組織、市民活動家と警察隊とのニラミ合いが暫く続いた。そして座り込みがちょうど4時間目に差しかかった時だった。約30人の警察隊がゲート前になだれ込んだ。

 支援組織や市民活動家は懸命の抵抗を試みたが、警察隊の前には無力だった。いとも簡単に座り込みは引き剥がされ、公園から一区画離れた交差点まで持って行かれた。わずか10分の出来事だった。

 ナイキはかつてウィーンやトロントでも公園の「ナイキ・パーク」化を試みたが、地元住民の反対で計画中止に追い込まれている。

 ナイキは、「ナイキ・パーク」で洗練されたイメージを現地の消費者に摺り込む裏で、世界の低賃金労働をネットワーク化してきた。賃金が上がれば安く働かせることができる他国に工場を移す手法で利益をあげてきたのだ。まともな雇用はそこにはない。

 あるのは、貧しき者はいつまでも貧しく、ほんの一握りの富める者がさらに富むという構図だ。欧州や北米がノーを突きつけた市場原理主義の一端を日本は受け入れたのである。

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