「香港人ホンコーナー、加油チャーユー」。シュプレヒコールをあげながら大挙して道路を流れて行く人々をみた時、「もうデモが始まったのか?」と、焦った。午後1時過ぎのことだ。
集合時刻は午後2時、デモ出発時刻は午後3時である。冷静になって人々の流れの後を追って行くと集合場所のビクトリアパークに着いた。
デモが始まると、コースとなっている道路(ストリート)に入りきれない参加者が溢れた。彼らは並行した隣のストリートをデモ行進した。
200万人(主催者発表)が参加した6月16日のデモでもこんなことはなかった。
香港市民をここまで駆り立てているのは、警察への反発だ。デモ隊に対する警察の残酷な取り締まりは、SNSなどで発信されるため隠しようがない。
至近距離からのゴム弾や催涙弾発射により、多数のデモ参加者が大ケガを負う事態となっている。エイドワーカーが目を撃たれて失明したケースさえある。
公営病院を管轄するホスピタル・オーソリティによれば6月9日からのデモ負傷者は515人。これは氷山の一角である。
病院に行くと警察の知るところとなって逮捕されるため、民主化運動を支持する医師や看護師が、見つからない場所で治療しているというのだ。医療従事者を知人に持つ人物が田中に明かした。
香港にあって数少ない中立系メディアのRTHKによると、警察は病院のデータベースを押さえているという。
デモのスローガンが「警察による残虐行為の徹底究明」「逮捕者の即時釈放」が中心となっていることも、事態を反映している。
きょう18日のデモに参加した女性(電化製品販売会社の前取締役・60代)は憤る―
「返還前の香港警察はこんな手荒なことはしなかった」「香港は戦地ではない、世界でも指折りのビジネス街だ」。
『香港人心不死』のプラカードを手にした大学生(女性・20歳)は「とても怖い、だけど香港の自由が(中国に)勝つ」と真っ直ぐな目で答えた。
~終わり~
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撃たれて失明することも逮捕されることもいとわない・・・思想信条の自由を守るために懸命に戦う若者たちを取材するために香港まで足を延ばしました。
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