政治犯を中国に引き渡す条例の完全撤回などを求める集会が16日夜、香港島中心部の公園であった。
主催は学生団体だったがオッサンもオバサンも労働者も参加した。会場のチャーターガーデンは参加者で超満員となり、人々が道路上にあふれた。交通は一時遮断された。香港の自由を守ろうと皆懸命だ。
俯瞰を撮ろうにも身動きがとれないため、田中は会場の全体像を撮影できないという失態を演じた。
公園のど真ん中で英国国旗と英連邦旗が林立していた。旗を手にした人々は「BNO(海外在住英連邦市民)は英国人だ、中国人ではない」と訴えた。
中国返還前(1997年)前に生まれた人々の多くは「BNOパスポート(海外在住英連邦市民)」と呼ばれる旅券を持つ。
ところがこのパスポートを持っていたところで、英国が守ってくれるわけではないのだ。政治犯引き渡し条例が施行されてしまえば、いつでも中国に逮捕される。
30代の男性は「恐ろしい」と幾度も繰り返した。
今回の運動の背後に米国の存在が指摘される。実際、民主化運動のリーダーと米国領事館員が会った写真がリークされたりしている。
きょうも会場には星条旗(米国国旗)が はためいて いた。IT企業の管理職(30代・男性)は「米国国旗は自分の給料で買った」としながら「米国は世界の中で強い力を持つから」と米国に頼る気持ちを打ち明けた。
別の男性は「米国は人権の大切さを世界に提唱してくれるから」と話した。
香港市民が頼りにするアメリカのトランプ大統領も、北朝鮮やイラン問題への対応で分かるように、肝心のところで介入に踏み切る様子はない。アメリカの内政第一を掲げる「アメリカ・ファースト」だからだ。
だが14日、貿易摩擦について述べたツイッターの最後では「Of course China wants to make a deal. Let them work humanely with Hong Kong first!」と書き、香港情勢を見ているぞという脅し文句を付け加えた。
世界が見ていることが香港市民の頼みの綱だ。
~終わり~