最強の記者クラブを持つ財団法人は、税の優遇を受ける犯罪組織だった。日本相撲協会のことである。最強の記者クラブとは東京相撲記者クラブだ。
10年前に起きた事件と比べたら日馬富士の暴行なんて可愛いものだ。2007年、時津風部屋で親方が新弟子の額をビール瓶で殴り、その後兄弟子たちが しごき と暴行を加えて新弟子を殺害したのである。
息子の死を不審に思った両親が、新潟大学に解剖を依頼しなかったら病死で片付けられるところだった。実際、時津風部屋は新弟子を火葬しようとしていた。証拠隠滅である。こうなるとプロの手口だ。
相撲協会はその後もコンスタントに事件を重ねた。「大島部屋に暴力団のトラック突っ込む(2007年)」「大麻所持(2008年)」「野球賭博(2010年)」「朝青龍による一般人への暴行(2010年)」・・・事件のデパートと言った感があるが表に出てきたのは氷山の一角である。なぜか ―
力士にはタニマチがつき、横綱審議会にはマスコミ幹部が定席を占める。歴代の横審委員長は第9代が渡邉恒雄(読売)、11代 海老沢勝二(NHK)、12代 鶴田卓彦(日経) だったりする。
タニマチである有力者は大物政治家経由で警察に圧力をかけて事件を揉み消せる。
かりに角界の人間が検挙されるようなことがあっても記者クラブメディアは報道しない。会社の最高幹部からストップがかかる。見返りはクラブだけの独占報道権だ。
日本相撲協会を所管する文科省の最高責任者は文科大臣だが、財団法人の資格を取り消せるはずがないのだ。
そこには警察、マスコミ、文科大臣を黙らせる強大な背景がある。日本相撲協会はかくして、アンタッチャブルとなった。この構図を変えない限り不祥事は続く。
貴乃花親方の処分云々は事の本質ではない。
〜終わり~