経産省の植え込みに火をつけたとして17日、警視庁に逮捕されたMさん(78歳)がきょう、釈放された。Mさんは脱原発運動のリーダー格だった。
警察と検察は勾留延長を断念せざるを得なかった。起訴できなかったのである。不当逮捕お決まりのパターンだ。
狙い撃ちとはいえあまりにもお粗末な逮捕劇だった。警察発表を垂れ流した記者クラブメディアもお粗末だった。
時事通信によると“事件”はこうだ ―
16日午後3時40分ごろ、東京都千代田区霞が関の経産省前で「植え込みに火をつけている人がいる」と通行人から110番通報があった。警視庁丸の内署員が駆け付けたところ、植え込みの一部が焼けていた。火は既に消えており、けが人はいなかった。
同署は現場にいた住所不詳、無職の男(78)が「自分で火を付けた」と認めたため、17日未明に建造物等損壊容疑で逮捕した。
各社とも5W1Hは同じだ。共同通信と朝日新聞(デジタル版)に至っては、Mさんの実名まで出した。
きょう午前10時45分、勾留先の警視庁本庁から釈放されたMさんと弁護士に、逮捕時のもようを聞くと、マスコミ報道とかけ離れていた ―
現場は東京メトロ霞が関駅のエレベーター地上出口に隣接する植え込み。経産省の敷地だ。スモーカーがタバコを吸ってポイ捨てする場所でもある。
Mさんは経産省前に昨年8月まであった脱原発テントの中心的存在だった。霞が関駅のエレベーター地上出口周辺を掃除するのが日課となっていた。
テントが強制撤去された後も、原発再稼働に反対して座り込みを続けていたMさんは事件当日、いつものように掃除にいそしんでいた。
植え込みの枯草がくすぶっていたので被っていた帽子で はたいて いたら、たちまち制服警察官に取り囲まれ御用となった。
警察は絶えず経産省前の座り込みを監視し続けていた。Mさんの行動パターンは手にとるように分かっていたのである。
通行人から110番があった時にはすでに制服警察官たちから身柄を押さえられていた。110番した通行人って誰でしょう??
警察は狙いすましたように運動のリーダーを逮捕した。起訴すれば有罪を勝ち取らないことには無罪事件となり、警察幹部の責任問題となる。
だが、警察は逮捕翌日にMさんが所属する護憲団体の事務所(都内)に家宅捜索をかけている。脱原発運動に携わる者は「火付け」もするというイメージをマスコミを通じて社会に植え付けた・・・公安当局は所期の目的を十分に達したのである。
~終わり~