「人間らしく生きさせろ」。非正規労働者たちの春闘が本格化する。
全国各地のユニオンが最低賃金の大幅引き上げを求めて、今週末(27日)、街頭キャンペーンを展開する。5月には国会内で集会を開き、参院選を控える政党にプレッシャーをかける。
「最低賃金(最賃)大幅引き上げキャンペーン」委員会が、きょう、厚労省記者クラブで会見を開いた。
「まずは全国どこでも最賃1,000円をめざし、次に1,500円を目指す」。委員会は運動方針を明らかにした。
最賃(時給の最低額)は最も高い東京都でも907円、最も低い鳥取県、高知県、沖縄県で693円となっている。
狂った日本の現実を考えると、時給1,000円は夢であり、1,500円は夢のまた夢だ。
かりに時給1,500円だとしてフルタイムで働いても月収約25万円だ。これから家賃、光熱費、税金、社会保障費を払えば、食べていくのが精一杯である。時給1,500円は極めて つつましやかな 要求なのである。
町田市の弁当工場で働く男性(34才)の時給は908円。東京都の最賃(907円)スレスレだ。午前3時から正午過ぎまで働いて月収(手取り)は15~16万円。
勤続8年になるが、昨年、首都圏青年ユニオンが団交するまでは社会保険に入ってもらえず、残業代も満足に払われなかった。
「食って行くのがやっとです、結婚なんてできません」。男性は力なく話す。
非正規労働者の平均年収は170万円(国税庁2014年度・民間給与実態統計)。正規労働者の3分の1で、残業代もまともに払われない。
不安定このうえない雇用環境の中でこき使われる非正規労働者は、今や全労働者の4割を占めるに至った。非正規労働者の待遇改善は社会全体の問題でもある。
にもかかわらずマスコミの関心は低い。厚労省記者クラブ加盟社は30社以上もあるのに、出席していたのはわずか3社だった。記者様たちは特権階級だからだ。
安倍政権はその気もないのに選挙目当てで「同一労働・同一賃金」を唱え始めた。底意を知っているのにもかかわらず、新聞テレビはまことしやかに取り上げる。もし実現されれば、非正規労働者の賃金は飛躍的に増えるのだが。
「そんな法律できっこない」。ユニオンの幹部は吐き捨てるように言った。
~終わり~
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