【パリ発】テロと国旗と愛国心 アベ首相が泣いて喜ぶ

廃兵院前に立つ極右青年。「(ここでの追悼式は)テロとの戦いのシンボルとしてふさわしい」。=27日、パリ市内 写真:筆者=

廃兵院前に立つ極右青年。「(ここでの追悼式は)テロとの戦いのシンボルとしてふさわしい」。=27日、パリ市内 写真:筆者=

 醜い男だ。オランド大統領はテロの犠牲となった人々の御霊さえも政治利用してきた。
 
 130人の命を奪った同時テロから2週間が経つ。フランス政府は27日、犠牲者を弔う国家追悼式を執り行った。

 筆者は追悼式自体を問題視するのではない。場所の選定に首を傾げるのだ。オランド大統領臨席の下、追悼式が行われたのは「廃兵院」である。
 
 廃兵院はルイ王政からナポレオンの時代にかけてフランスの領土拡張戦争で負傷した兵士を治療した病院だ。現在は戦争博物館となっている。

 『犠牲者はフランス国家とテロとの戦いで命を落としたのだ』 ― 廃兵院で追悼式を行ったオランド政権の演出意図がありありと見える。

 ある犠牲者の父親は憤慨する。「息子は兵士じゃない。国の兵士を弔うようなやり方で追悼式が行われることには納得できない」と。
 

追悼式を終え廃兵院から出てくるフランス軍将校たち。軍事的色彩の濃い式典だった。=27日、パリ市内 写真:筆者=

追悼式を終え廃兵院から出てくるフランス軍将校たち。軍事的色彩の濃い式典だった。=27日、パリ市内 写真:筆者=

 追悼式典の最後、軍楽隊が国歌「ラ・マルセイエーズ」を高らかに演奏すると、儀仗隊や遺族、参列者らが唱和した。演奏が終わると、大きなモニターが犠牲者らの顔写真から3色旗に切り変わった。愛国心を強調するセレモニーだった。

 廃兵院で追悼式を執り行うことの問題点を指摘するメディアは見受けられなかった。政府とマスコミが一体となって愛国心を煽った。
 
 オランド大統領は「(国家追悼式の日は)国民一人ひとりが国旗を掲げてほしい」と声明を出して呼びかけた。

 愛国心を くすぐる のに国旗はもって来いだ。熱狂で理性を失わせ、戦争に突き進むのに欠かせないツールである。

アパート(写真・奥)に掛かった3色旗はすべて同じサイズ。陽にも焼けていない。やらせ臭かった。=27日、パリ市内 写真:筆者=

アパート(写真・奥)に掛かった3色旗はすべて同じサイズ。陽にも焼けていない。やらせ臭かった。=27日、パリ市内 写真:筆者=

 筆者はパリの街をタクシーで走った。公共施設には3色旗がかかっていたが、個人経営の商店には皆無、住宅にはチラホラだった。

 パリ市民は政府とマスコミの同調圧力には、今のところ毒されていないようだ。「右向け右」に従う日本人とは明らかに違う。

 不謹慎な仮説で恐縮だが ・・・ 日本で大規模テロが起き犠牲者が出たとする。

 内心嬉しくてたまらないアベ首相が「国民一人ひとりが日の丸を掲げてほしい」「戦争の犠牲になったのだから追悼式は靖国神社で行う」などと言い出したりしないだろうか?

 ~終わり~

  ◇
フランスでいま起きていることは、近く日本で起きることです。アベ首相がやたらと「テロ対策」を口走るのは、その伏線です。「日本を暗黒の独裁国家にしないためにも、フランスの現状を押さえておく必要がある」と強く思い、借金してパリまで来ました。何卒ご支援お願い致します。↓

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