憲法をないがしろにした「安保法案」が成立した。2015年9月19日は日本の立憲主義が廃止された歴史的な日となったのである。
午前2時18分、「戦争法案」の成立が伝えられると、国会正門前で抗議行動を続けていた若者たちは「採決撤回」のコールを激しく繰り返した。地鳴りとなって国会議事堂を揺らした。
反対運動を引っ張ってきたSEALDsの奥田愛基さんは「ぜんぜん悲壮感なんてないっすよ。憤りだけです」とコメントするとすぐに「安倍は辞めろコール」を始めた。仲間たちは続いた。
参院安保特委で追及の急先鋒に立ってきた山本太郎議員は、安倍首相に対する問責決議の採決で喪服に身を固め数珠を手に牛歩した。
「自民党が死んだ」という意味である。
山本議員は法案採決の際も牛歩で投票した。投票箱のある檀上に上がると「アメリカと経団連にコントロールされた政治はやめろ。組織票がほしいか? 外の声が聞こえないか?」と一喝した。
反対はポーズだけの野党議員が多いなか山本議員は一人体を張って抵抗したのだ。「タローはガンバレ。タローはガンバレ」。国会前の若者たちは幾度もエールをおくった。
田中は学生たちの叫びを山本議員に聞かせたく、秘書に電話を入れた。「議員は疲れ果てている」とのことだった。山本議員は3ヵ月間、戦い抜いたのだ。
他の議員達も外と繋がった。民主党の福山哲郎議員には「福山ガンバレ」、維新の党の小野次郎議員には「小野はガンバレ」、共産党の小池晃議員には「小池はガンバレ」・・・演説の続くかぎりコールが響いた。
民意が議員たちの背中を押した3日間だった。
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