「『敷地や周辺については白紙にしない、見直さない』と政府は言ってる・・・」。
安倍首相が「ゼロベースで見直す」と豪語したのにもかかわらず、新国立競技場の敷地面積は、当初の計画と変わらないこと(田中龍作ジャーナル既報)があらためて分かった。
民主党の玉木雄一郎議員(財務官僚出身)が、きょう開かれた「東京オリンピック・パラリンピックに係る公共事業再検討本部」の会合で明らかにした。本記事の冒頭は玉木議員の言葉である。
JSC(日本スポーツ振興センター)の新社屋建設計画も全く見直されないことがすでに明らかになっている。
高さ75mのビルが神宮外苑の景観を破壊してグロテスクにそびえ立つのである。坪当たり250万円(普通のビルは約100万円)という豪華ビルだ。
それもそのはず。JSCの河野一郎理事長は、森喜朗元首相の腹心である。
「検討本部」のきょうの会合では、森元首相が日本記者クラブでの記者会見で言い放った「2兆円」についても追及された。
組織委員会の中村英正・企画財務部長(財務省から出向)は「2兆円はトータルの額」としたうえで、「ロンドン五輪を参考にしている」と説明した。「2兆円」の根拠はロンドン五輪だけだ。
組織委員会の武藤敏郎事務総長は、財務省の元トップ(事務次官)である。武藤事務総長の上に立つ組織委員会会長は森元首相だ。
東京オリンピックの財源は、森会長の思うように確保されていると言っても言い過ぎではない。「2兆円」は放言ではないのだ。
新競技場について森氏は「フタ(屋根)付き、(予算は)1,800億円くらい」と言って、はばからない。
用地面積が当初の計画と変わらないことも、これで辻つまが合う。「森喜朗古墳」は御本人の言う通りに建設されるのである。
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