野宿者、渋谷区に抗議 VS 役人「出て行きなさい」

支援者にパンチを浴びせようとする守衛。=6日、渋谷区役所 写真:山田旬=

支援者にパンチを浴びせようとする守衛。=6日、渋谷区役所 写真:山田旬=

 12月29日深夜、警察を出動させて宮下公園から野宿者と支援者を追い出した渋谷区土木清掃部。

 強制排除の法的根拠の説明を求めて野宿者と支援者約40人がきょう午前、区役所に突入した。午前9時半、守衛の制止を振り切って正面玄関から階段を上って土木清掃部のある6階に着く。

 「黒柳部長に会わせてくれ」と要請したが、対応した土木清掃部の管理職は「お客さんの迷惑になるから出ていきなさい」と命令口調の答えを繰り返した。

 野宿者たちが公園を占拠しているというのであれば、退出してもらうには、行政代執行の手続きを踏まねばならない。だが、土木清掃部はそれらしき書面の提示を一度たりともしなかった。法的手続きを踏まない排除は暴力である。

 年の瀬に寝床と食事の場を暴力で奪われた野宿者たちは合点がいかない。「黒柳部長の説明を聞くまで動かないぞ」と宣言した。一部は部長室に向かおうとしたことから、守衛が力づくで追い返そうした。野宿者と支援者は自制していたが、守衛はパンチを浴びせるなど暴力を振るった(写真上段)。

 現場は緊迫する。この時点で渋谷区は警察に通報したようだ。間もなく全員マスク姿の私服刑事10人余りが駆け付け、土木清掃部の廊下に張り付いた。

野宿者と支援者は強制排除の説明を求めて「黒柳部長に会わせろ」と詰め寄った。=写真:山田旬=

野宿者と支援者は強制排除の説明を求めて「黒柳部長に会わせろ」と詰め寄った。=写真:山田旬=

 年末年始は飯場もなくなり、空き缶の買取り業者も休む。働こうにも働けず、一宿一飯に不自由するようになる。一年で最も寒い時期に食事もまともにできず、夜露にさらされれば、凍死の危険すらある。

 このため厚労省は「生活困窮者に対する年末年始の緊急一時的な宿泊場所の確保」について全国の自治体に通達を出していた。

 ところが12月28日、渋谷区役所に生活保護申請に行った野宿者は警備員に追い返された。渋谷区は厚労省の通達を無視したのである。

 渋谷区が、弱者に対して決して温かいとは言えない厚労省の通達にさえ従わなかったため、悲劇が起きる。翌29日に宮下公園から強制排除した人たちの中に、前日、渋谷区役所で追い返された野宿者も含まれていた。

 保護が受けられなかったため、公園で寝食をつなごうとした野宿者を、渋谷区は追い出したのである。「人殺し行政」と呼ばれても仕方がない。

  ~生活福祉課の制止聞かず土木清掃部が強制排除~

 29日に起きた悲劇の経緯について生活福祉課の高橋課長が取材に応じた。以下高橋課長の証言――

 土木清掃部が高橋課長の自宅に電話をかけてきたのが29日午後11時過ぎ。
土木清掃部幹部は、宮下公園の現状を説明したうえで「公園内にまだ留まっている人がいる」と伝えた。

 支援施設の門限が過ぎているため、高橋課長は「明日まで待って頂けないだろうか」と要請した。

 土木清掃部から連絡があったのは、これ一回きり。高橋課長は「寝耳に水だった。もっと早く知っていれば…(対応できた)」。

   ―以上、高橋課長の証言
 
 土木清掃部の見解とも突き合せなければならないが、強制排除を陣頭指揮した黒柳部長は説明に出てこない。

 生活福祉課の高橋課長の言う通りだとすれば、土木清掃部の独断専行で「人殺し行政」が行われたことになる。

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